【特集】ダバオで活躍する日本人を特集 – YOUは何しにダバオへ?〜泉南市長編〜

山本市長

皆さんこんにちは!ダバオッチのミズキです。ダバオで活躍する日本人にインタビューする、「YOUは何しにダバオへ?」のコーナー。今回インタビューさせていただいたのは、大阪府泉南市の山本優真市長です!

泉南市はダバオ市の姉妹都市で、今年4月に調印したばかり。ということで、ダバオ市のこと、ご自身のことなどを計15個の質問にまとめ、お答えいただきました。市長の人柄や信念が少しでも伝わればと思います。ぜひ最後までお楽しみください!

泉南市について

泉南市は大阪府の自治体で、人口約6万人の比較的小規模なまちです。公共交通機関を使うと大阪都市圏の中心部までは1時間ほどで行くことができます。また、泉南市自体も空の玄関口である関西国際空港の一部を市域に持ち、国内外からの人の出入りが盛んなことから、影響力は人口規模以上に大きいと考えられます。

市内の観光名所は、紫陽花寺として知られる長慶寺やイングリッシュローズガーデン、SENNAN LONG PARKなどがあり、山と海に囲まれた自然豊かなまちでもあります。

2023年4月にはダバオ市と姉妹都市協定を結び、同年5月には泉南市の小中学校とダバオ市の小中学校との交流イベントを実施しています。まだ協定を結んでから数ヶ月ということで、今後の交流にも期待が高まっています。

詳しくは泉南市公式ホームページをご覧ください。

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山本優真市長について

山本優真市長は昨年5月から泉南市の市長を務めています。立命館大学政策科学部政策科学科を卒業し、半年間民間企業に勤めたのち衆議院議員秘書となります。3年間の秘書経験後、泉南市の市議会議員に2期連続で当選。2020年の11月から2年間は市議会の副議長を務めていました。市長になった当時は日本最年少の首長で、初の平成生まれの首長でもあります。

市長としては、「行政経営基盤の強化」「機敏な先読みと未来への投資」「信頼と共感」の3点に力を入れているうです。盤石で持続可能かつ市民に開かれた市政運営ということで、魅力的な自治体を目指していることが分かりますね。

山本市長についての詳しい情報は泉南市公式ホームページのこちらのページから見ることができます。

では質問に移ります。「YOUは何しにダバオへ?」

Q1. YOUは何しにダバオへ?

今回の複数ある渡航目的のうちの1つは、先日締結した泉南市ダバオ市姉妹都市協定に関する各協力分野について意見交換を行うことです。今年の4月25日に、ダバオ市のバステ(セバスチャン・ドゥテルテ)市長が泉南市に訪れ調印式を執り行いました今回のダバオ訪問は調印後初めての訪問であり、カダヤワンへの招待を受け、ダバオの伝統文化を体験したいという目的もありました

2つ目の目的は、泉南市の学校とフィリピン日系人会国際学校との交流について話を進めること。先日一度オンラインでの交流があったのですが、これを継続して実施していけるように意見交換を行うということです。

3つ目は、泉南市内事業者が行う事業ビジネスに関する話です。ダバオで新たなビジネスモデルやそのプロモーションを模索、検討するというのも目的の1つで、そのために泉南市の企業からも数名が今回ダバオ市での行程に同行しています。

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Q2. ダバオ訪問は何回目?

これで3回目です。実はまだプライベートでは来たことがないのですが、次回はサマル島に行ってみたいと思っています。

Q3. ダバオを最初に訪れたきっかけは?

最初は泉南市の企業がダバオの企業取引を始めたのがきっかけでした。2017年にダバオ市使節団が泉南市に来訪しましたが泉南市からダバオ市を訪問するような交流はまだありませんでした。

元々フィリピンが好きということもありましたし、アジアで英語圏なので言葉も通じやすい。加えて前市長も国際交流には積極的でした。「前向きな話が出るのだったら。とりあえず行ってみよう」という思いで、新型コロナウイルスが流行する前にダバオを訪問することができました。

Q4. ダバオという街に対する印象は?

「惜しみないウェルカム感」です。とにかく全力で迎えてくれます。どこかに行って、何か分からないことがあっても、近くの人に尋ねるとみんな丁寧に教えてくれます。すごく親切ですよね。それでいて見返りを求めないのもダバオならではだと思います。

Q5. なぜ「今」「ダバオ市と」姉妹協定を結んだ?

以前から交流模索していましたが、大阪・関西万博が近いというのも「今」の理由の1つです。

昨年の11月に市長として初めてダバオ市を訪れ、バステ市長にお会いしたときに、ストレートに直接、ダバオ市の魅力を伝えていただきました。「次は僕が会いに行く」と約束してくださり実際に今年の4月にバステ市長が泉南市に来られ、姉妹都市協定を締結するに至りましたバステ市長と直接お話することで、話がスピーディに進みました。

話は変わって、泉南市は世界への玄関口である関西国際空港があるまちです。泉南市の子どもたちには、小さな頃から国際交流をして欲しいと僕は考えています。今の子どもたちが大人になったときに、海外という選択肢を持てるようにしたい。ダバオ市は英語圏であり、肌感覚で治安もいいとわかります。今後子どもたちの留学先としても検討できますよね。

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Q6. 関空-ダバオ便の就航について

本当なら万博のある2025年までには欲しいです。ダバオはフィリピン第3の都市ですし、これからより発展する都市です。マクロで見れば、ダバオから東京か関西に直行便を設けることが大事だと思います。ミクロの視点では、地方間の結びつきの強化という点でも重要です。就航には時間がかかるとしても推進していきたいです。

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Q7. 協定を結ぶ上で苦労した、予想外だったことは?

昨年11月にダバオ市を訪問したときにダバオ市議会を訪れたのですが、議場でいきなり「挨拶して」と言われたときには緊張しました(笑)。事前準備を全くしていない中、数十分の間に必死に原稿を詰め込みました。

また、協定を結んだことで、「どうしたら両市にとってより良い連携ができるか」を考え続ける良いきっかけになりました。個人的にはもっと英語を学びたいと思うようになりましたし、今回の件で「まず行く」こと、現場主義の大事さを実感しました。

Q8. ダバオで行ってみたい場所、行ってよかった場所は?

行ってよかったのはナイトマーケットです。ティラピアやナマズを食べました。

行ってみたいのはまずサマル島。泉南市の人にダバオを紹介するときに、まず自分がダバオを知っていなければ、ダバオの良さを発信することはできません。それからミンタルの日本人墓地にも行きたいと思っています。カダヤワンも前から行きたいと思っていて、それは今回の訪問で叶いましたね。

Q9. ダバオ以外に行ってみたい街は?

パラワン、ボホールには行ってみたいですね。それから10年以上前に一度行ったことはありますが、バナウエはもう一度行きたいです。

Q10. 学生時代は何をしていた?

学生時代は主にフィリピンでボランティアをしていました。大学で政策科学を専攻していたこともあり、NGOでフィリピンの治安改善やスモーキーマウンテンに暮らす人々への自立支援に取り組むユースプログラムに参加していました。

僕が大学生の頃に東日本大震災が起こったのですが、僕はこの時もフィリピンにいて、フィリピンの人はみんな心配してくれました。そのあと被災地でのボランティアにも参加しました。

Q11. 市長/政治家という仕事の魅力は?

市長という仕事が、一番「まちづくり」や「社会課題へのアプローチ」ができる仕事だと僕は考えています。民間でもそういう仕事はありますが、結局それって利益がないと動けないんです。公平・中立に動けるのが政治家、市長の強みです。

もちろん市長も議会からの承認は必要ですが、やりたいことを提案して承認されれば、自分の思いを形にできるんです。その他にも実際ダバオに来て、行政であっても企業間マッチングができるという気付きも得ました。

Q12. 休日の過ごし方は?

終日休みということはほとんどありませんが、空いた時間は子どもと遊んでいます。子どもは2人いて、1人はもうすぐ4歳で、もう1人は0歳です。時間があれば自然にふれるよう海や山などへ一緒にでかけます

Q13. 市長になって変わったこと

議員の時からスタンスは同じですし、市長になってまだ1年しか経っていないので、そこまで違いはないと思います。でも、前よりやりたいことを1つずつ実現することができるようになりました。また、市民から声をいただくことも増えました。市民アンケートの回答率を見ても、前より回答率が高くなってきたと感じています。市民の市政に対する関心が高まってきていることは良いプレッシャーになっています。

Q14. 今後ダバオ市との関係に期待することは?

まずは泉南市とダバオ市子どもたち同士の交流が進むこと。次に泉南市をはじめとする大阪の企業とダバオ市との連携や、さらに観光分野での交流を推進ていきたいと考えています。これは誰かがアクセルを踏まなければいけないことなので、そのアクセル役になりたいですね。

Q15. いずれ挑戦してみたいことは?

繰り返しになりますが、泉南市とダバオ市の学校を繋ぐことが、まず1つ。そこから派生して、語学留学の支援もしたいです。子どもの頃から英語を使って、大きくなったら1週間でも2週間でも、海外に留学してみる。

今の日本の情勢を見聞きすると、内向きばかりではだめだろうと考えさせられます。これからの子どもたちは、海外のキャリアを選択肢に持てるようにする必要がある。彼らの可能性を引き上げるためにも、国際交流が必要です。それに、一度海外に出ると、考えが広がりますよね。これはカルチャーショックの積み重ねによるものです。そういう経験を子どもたちにはして欲しいと考えています。

まとめ

今回のインタビューを通じて、山本市長の政治に懸ける熱い思いが伝わってきました。特に今回はダバオ市に関係する質問を多く投げかけましたが、子どもたちの未来を見据えた言葉が繰り返し語られ、市のホームページの言葉が真に実現を目指しているものだということが分かりました。

また、大学時代からフィリピンと関わってきただけあって、そのフィリピン愛も相当なもの。これからもリスペクトをもってダバオ市との関係を築いてくれるのだろうなという圧倒的な安心感を抱きました

戦前から続くダバオと日本の縁の糸が、また少しずつ強固なものになりつつあります。ダバオ市から日本へのルート開拓、泉南市の企業の新天地としてのダバオ、そして両市の子どもたちの未来。様々な分野での交流や、両市の相互の発展に期待が高まります。

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