ダバオ市でもデリバリーサービスが人気だ。そのひとつが、ピンク色がトレードマークの「フードパンダ」である。しかし、配達員から給料体系に抗議の声が挙がっており、同社は契約を切る決断をしたと発表した。日本でもデリバリーサービスの配達員と本社の問題が取り上げられることがあったが、それがまさにダバオでも起きているようだ。
フードパンダの配達員や店員、顧客などの話によると、同社は「広範囲に混乱を与えるような要求があったため、規約違反をした配達員とフードパンダの契約を解除するという難しい決断を下した」という趣旨のプレスリリースが流れたという。このプレスリリースが出る前の7月15日の朝、Roxas通りに集まった配達員らは、給料が減ることになったため同社に疑問を投げかけるための抗議をおこなった。そして、同社の「低く不確かな」給料の計算方法について、ダバオ市役所に介入して調べてほしいと訴えた。
配達員が給料体系に対し静かに抗議をおこなう計画があることを耳にして、フードパンダ社は、複数の配達員との契約を10年間差し止める処分を下した。
また、その原因となった給料については、現地のデリバリー配達員の給料が1回あたり平均55ペソであるのに対し、現状で昨年度のほぼ半分となっていた。給料について、同社は、経路や距離を考慮して計算されており、他の産業と比べて高い給料を支払うことを可能としていると述べた。さらに、燃料やデータ通信の割引、格安で入れる保険、無料の商品などの特典もあると述べた。
デリバリー配達員の協会である「Davao United Delivery Riders Association Incorporated」のEdmund Carillo会長は、同社の距離をもとにした給料体系の計算方法が明らかなものではないと述べた。さらに、280ペソが健康保険料として引かれているが、事故に遭った場合の明確な保険も存在しないと指摘した。そして、燃料代や重要商品の値段が上がっていることも踏まえ、配達員らは計算システムの透明化を求めていると語った。
今回話に出た事例は、日本での事例に似ているところが多く見られる。ダバオ市の場合はどのような解決を見せるのか、今後の進捗を見守りたい。