【News】ダバオ市のササ地区沿岸警備隊が、絶滅寸前種のタイマイ(ウミガメの一種)を救出

サマル島

沿岸警備隊 南東ミンダナオ管区(以下CGDSEM)は、「SEM 海洋環境保護グループ:Marine Environmental Protection Group SEM」およびササ沿岸警備隊支所と連携し、ダバオ市ササ地区の海岸沿いで、絶滅危惧種に指定されているウミガメの一種・タイマイ(英名:Hawksbill turtle、学名:Eretmochelys imbricata)の幼体1匹を救出した。

CGDSEMは、2025年11月8日のFacebook投稿で「救出活動は、地元住民から海亀が沿岸にいるとの通報を受けて実施された。関係職員はただちに現場へ向かい、亀にストレスや外傷を与えないよう慎重に扱いながら無事救出した」と伝えた。

救出されたタイマイは、同日中にプンタ・デュマラグの「アボイティス・クリナジー・パーク(Aboitiz Cleanergy Park)」へ搬送された。同園は、絶滅危惧種の海亀保護を目的とした海洋生物の保護区として広く知られている。幼体のウミガメは、海へ帰される前に、精密な健康チェックと継続的な監視を受ける予定である。

CGDSEMは、海洋生物を目撃した際は、最寄りの沿岸警備隊に通報するよう、市民に呼びかけた。

タイマイ:深刻な絶滅危惧種

米国海洋大気庁(NOAA)によると、タイマイは絶滅危惧種保護法(Endangered Species Act)に基づき、絶滅寸前種に指定されている。

  • 通常、小規模なビーチに少数で産卵し、その個体群の多くは西大西洋(カリブ海)、インド洋、インド太平洋域に分布している。
  • まだら模様の甲羅が特徴で、琥珀色、オレンジ、赤、黄色、黒、茶色など不規則な色合いをしている。
  • 甲羅の縁はギザギザで、鱗甲板が重なり合っている。
  • 成熟した個体では、甲羅の長さはおよそ60〜90センチメートル、体重は約45〜70キログラムに達する。
  • タイマイは、フィリピンの熱帯海域に生息する5種のウミガメのうちの1種である。

ウミガメの保護活動

アボイティス・エクイティ・ベンチャーズ社の2024年統合報告書によると、2025年4月時点で「アボイティス・クリナジー・パーク」では、これまでに約10,062匹の幼亀を海に放流し、88の巣を確認、32匹のウミガメを救出、108種の鳥類を確認、29,042本のマングローブを植樹し、21,741人が同センターを訪れたと報告されている。

「アボイティス・クリナジー・パーク」は、8ヘクタールの生物多様性保護区であり、絶滅危惧種のタイマイの産卵地としても利用されている。敷地内にはマングローブ、29種の在来樹木を揃えた植物園、108種の鳥類が観察できるエリア、そして救出されたウミガメのケアとリハビリを行うパウィカン・レスキューセンターが整備されている。

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