【News】活断層上に60棟が居住─「ウォーク・ザ・フォルト」で住民に警鐘、移転を呼びかけ

Rogen Inn
3つの7階建てビル(緑:南棟、青:本館、茶色:西棟)

フィリピン科学技術省(DOST)火山地震研究所(以下Phivolcs:Philippine Institute of Volcanology and Seismology)は、活断層の上に居住している住民に対し、強い地震が発生した場合に住宅が壊滅的な被害を受ける可能性があるとして、改めて移転を呼びかけている。

Phivolcsの上級科学研究員であるキャスリーン・パピオナ氏は、ラジオインタビューにおいて、活断層の直上に建てられた住宅や建物は、地震によって生じる最も破壊的な現象の一つである「地表破断」により、極めて高いリスクにさらされると述べた。

また、パピオナ氏は、経済的または物流的な理由により移転が困難な場合には、住宅を補強・耐震改修することでリスクの軽減に努めるべきであると助言している。

この呼びかけは、2025年10月6日にミンタル・バランガイ(行政区)で実施された「ウォーク・ザ・フォルト(Walk the fault)」活動を受けたものである。同活動は、Phivolcs、市民防災庁(OCD)、およびダバオ市災害リスク管理局(以下CDRRMO)によって共同で開催され、ダクダオ断層線の一部を実際に地上にマーキングする作業が行われた。

調査の結果、およそ60棟の住宅および商業施設が断層の真上に建てられていることが確認されており、関係当局は現在、影響を受ける可能性のある住民の人数を把握中である。

専門家によれば、ミンタルはダバオ市内を通過する15のバランガイの一つであり、これらの地域はいずれも、市内に存在するとされる少なくとも5つの活断層系の一つであるラクソン断層と交差している。他にも、タムガン断層、ダクダオ断層、ニューカーメン断層などが存在する。こうした複数の断層が重なり合っていることから、急速な都市成長を遂げている一方で、ダバオ市は強い地震に対して特に脆弱な地方であるとされている。

「ウォーク・ザ・フォルト」キャンペーンは今回で4回目の実施となり、2019年以降ではミンタルで2回目の開催である。本キャンペーンは、住民に対し、活断層の位置や地震リスクを軽減する方法について理解を深めてもらうことを目的としている。

パピオナ氏は、地震は予告なく発生する可能性があることを改めて強調した。これは、セブ州ボゴ市で発生した地震のように、400年以上活動していなかった断層が突然動いた事例からも明らかである。

CDRRMO局長のアルフレド・バロラン氏は、地方の防災機関には、こうした自然災害のリスクについて住民に情報を提供し、教育する責務があると述べた。

さらにバロラン氏は、災害に備えるための情報を住民と共有し、適切な準備の方法を教えることの重要性を強調した。台風については、その強さや進路、影響を予測することが可能であるが、地震がいつ発生するかを正確に予測することは不可能であるとし、常に備えておくことが何よりも重要であると述べた。

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