ダバオ市議会 第21期(議長代行:ロドリゴ・ドゥテルテ2世)は、2026年のダバオ市政府向け年間予算158億ペソを第三読会で承認した。前年の143億ペソから10%(15億ペソ)増となる。
予算は2025年11月13日に市議会で開かれた特別会議で可決された。年間予算案は、財務・歳入・歳出委員会の委員長であるダニロ・ダヤンヒラン市議が、セバスチャン・ドゥテルテ市長の提案に基づき提出したものである。
2026年予算の最大配分は、一般基金(General Fund Proper)の136億ペソで、市政府各部門・各局・各課の人件費、維持管理・運営費、資本的支出を賄う。このほか、開発基金(Development Fund)に20億2,800万ペソ、経済事業部門(Economic Enterprises)には1,680万ペソが割り当てられている。
経済事業部門の運営では、5つの公設市場の管理に1億300万ペソが配分され最大の割合を占め、続いてマアおよびマラゴスの食肉処理場の運営に4,500万ペソ、サンタアナ港に180万ペソ、市が管理する11の公営墓地に970万ペソが割り当てられている。なお、2026年の市経済事業部(City Economic Enterprise)の予算は、2024年の1億6,000万ペソから減額されている。
メディアに提供された委員会報告書によれば、2026年予算の総額は158億4,606万4,435ペソで、このうち市長室(以下CMO:City Mayor’s Office)が50億ペソと最大の配分(全体の36.69%)を受け、次いで市社会福祉開発局(CSWDO)が14億ペソ、市環境天然資源局(CENRO)が11億ペソとなっている。
その他の主要配分には、市災害リスク削減管理委員会(CDRRMO)10億ペソ、市保健局(CHO)8億8,600万ペソ、市議会(Sangguniang Panlungsod)7億3,100万ペソ、市工務局(CEO)6億1,800万ペソ、市運輸交通管理局(CTTMO)3億300万ペソ、市公共安全保安局(PSSO)1億6,000万ペソ、ダバオ市立大学7,700万ペソなどが含まれる。
予算全体の増額は、2026年の国家税配分(以下NTA:National Tax Allotment)が約14.86%(13億ペソ)増加したことに加え、地方財源による収入も約4.6%(2億3,000万ペソ)増加すると見込まれている。NTA増額は、新型コロナウイルス感染症 流行後の地域社会の回復を反映している。
CMOの使途
CMOの50億ペソの配分は、総務管理、行政支援、市民向け事業、治安維持・公共安全対策、LINGAPプログラムなどに振り分けられる。また、CMOの管轄には、ダバオ市博物館、薬物依存者治療・リハビリセンター、バランガイ(行政区)開発プログラム、統合ジェンダー開発プログラム、支援サービス部門、高齢者福祉局(OSCA)、嗜好品規制課(VRU:Vices Regulation Unit)、Peace 911などが含まれる。なお、2026年の配分は、2024年の52億ペソより減額されている。
2026年の優先施策
2026年、ダバオ市政府は「市民生活の基本的ニーズへの対応、課題解決の優先、優れたサービス提供に向けた革新」をテーマに、「ドゥテルテ」関連施策への支援を継続する。
重点分野は、貧困削減、インフラ開発、固形廃棄物管理、保健衛生、教育・人材育成、農業・アグリビジネス、産業支援、交通計画・交通管理、治安維持、防災・減災、ICTを活用したガバナンス強化、観光開発および関連サービスである。
ダバオ市政府は、バランガイの基礎物資・サービス提供能力の強化、市民の技能・知識向上、事業支援を通じた地域経済活性化を目指す。
また、遠隔地での医療アクセス改善、治安維持の予防策強化、ITを活用した効率的かつ透明な行政サービス導入、主要インフラ事業を通じた公共サービスの公平配分も計画している。







