
高齢者福祉局(以下OSCA)は2025年9月22日、ダバオ市において市内初となる「高齢者コミュニティケアセンター(以下SC3C:Senior Citizens Community Care Center)」を開設したと発表した。
OSCAのロレンツォ・ボルハ局長によると、この「SC3C」は、高齢者が技能教育技術開発庁(TESDA:Technical Education and Skills Development Authority)による生計支援のための職業訓練を受けられる施設で、トリル地区ドゥモイにあるダコヴィル住宅区内に設置されている。
ボルハ氏は、2025年9月19日にダバオ市災害ラジオ(DCDR)のインタビューで、「現在利用できるのはこの施設です。建物と立地はすでに整っており、バランガイ(行政区)によって提供された屋根付きコートも完備されています」と語った。
このセンターには、国家高齢者委員会(以下NCSC)、社会福祉開発局(CSWDO)、およびフィリピン健康保険公社(PhilHealth)が入っており、医療・福祉など高齢者の多様なニーズに対応できる体制が整っている。
他の行政区へも拡大予定
OSCAは、ドゥモイ地区における第1号「SC3C」の設立を皮切りに、ダバオ市の3つの下院選挙区それぞれに1か所ずつ同様のセンターを設ける方針であると明らかにした。これはセバスチャン・バステ・ドゥテルテ市長代行の指示によるものだという。
また、第2区の高齢者向けには、マガリャネス通り沿いのオスメーニャ公園に新たな「SC3C」の設置を計画しているが、提供された敷地に関する書類手続きが現在も進行中であると付け加えた。
なお、ダバオ市内のOSCAに登録されている高齢者は、約20万人にのぼる。
SC3Cとは
NCSCによると、「SC3C」とは、高齢者を対象に、医療サービス、健康増進プログラム、社会・レクリエーション活動、生計支援トレーニング、ならびに各種行政手続きの支援を一括して提供するワンストップ型の支援拠点である。
この「SC3C」の設立は、「高齢者福祉法(共和国法第7432号)」およびNCSCの設立を定めた「共和国法第11350号」に基づいている。また、1987年憲法にも、高齢者の権利を推進・保護する義務が国家に課せられていることが明記されている。