【News】DDS元構成員ラスカニャス氏に複数の逮捕状―殺人未遂や名誉毀損で

ドゥテルテ大統領

元警察官で、ダバオ・デス・スクワッド(以下DDS:Davao Death Squad)の元構成員であると認めたアルトゥロ・B・ラスカニャス氏に対し、地元の裁判所が逮捕を命じた。ラスカニャス氏は、インターネット上の名誉毀損から殺人未遂に至る複数の刑事事件で告発されている。

ダバオ市地方裁判所(RTC)第10支部は最近、長年にわたり複数の訴訟に関与してきたとされ、現在は国外にいるとみられるラスカニャス氏に対して、複数の別名逮捕状(alias warrant)を発行した。

ダバオ市の報道機関に提供された最新情報によれば、今回の逮捕命令は、2012年サイバー犯罪防止法(共和国法第10175号)第4条(c)(4)項に基づくインターネット上の名誉毀損事件に関連するもので、事件番号はR-DVO-24-02594-CR、逮捕状の日付は2025年6月9日、保釈金は4万8,000ペソとされている。

ラスカニャス氏には、過去にも複数の別名逮捕状が出されている。これには、保釈が認められていない殺人事件(事件番号:R-DVO-17-02087-CR)に加え、それぞれ保釈金12万ペソが設定された2件の殺人未遂事件(事件番号:R-DVO-17-02086-CRおよびR-DVO-17-02085-CR)が含まれる。これらの事件の告訴人には、ダバオ市のフィリピン国家警察(以下PNP)、入国管理局(BI)、国家捜査局(NBI)の職員が名を連ねている。

裁判所は、これらの逮捕状について、法執行機関が受領後10日以内に執行するよう命じており、執行できなかった場合には、その理由を記した報告書の提出を求めている。

ラスカニャス氏は2017年、当時の大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏とDDSとの関係を公に認め、国内外で大きな注目を集めた。2016年の上院証言ではDDSの存在を否定していたが、その後、立場を180度転換する発言を行った。

「SunStar Davao」の報道によれば、ラスカニャス氏は地元当局の命令または承認のもと、容疑者や薬物関係者を標的とした超法規的処刑に関与していたことを認めている。

この証言は、国家ぐるみの殺人の証拠とする人権団体の主張とともに激しい議論を巻き起こした。一方、ドゥテルテ氏の支持者たちはこれを「でっち上げ」として一蹴した。上院調査を主導したパニロ・ラクソン上院議員は、ラスカニャス氏の証言には「証拠能力がない」と述べ、PNPおよびフィリピン人権委員会(CHR)による独立した調査の必要性を訴えている。

ラスカニャス氏は上院での証言後、身の危険を理由に国外へ出国し、その後、国際機関の場でも自身の告発内容について証言した。しかし、現在に至るまで、ダバオの裁判所で係属中の訴訟には出廷していない。

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