セブ州で発生したマグニチュード6.9の地震を受け、ダバオ・ライト・アンド・パワー・カンパニー株式会社(以下ダバオ・ライト社:Davao Light and Power Co.)は、ビサヤ地方の発電所で稼働停止が続いている影響により、全国送電網の電力供給に支障が生じており、11月の電気料金が値上がりする可能性があると警告した。
フィリピン国家送電公社(以下NGCP)によると、9月30日にセブ州ボゴ沖で発生した地震の影響で、27か所の発電所が停止し、ビサヤ送電網では1,444.1メガワットの供給能力が失われた。送電はすでに復旧しているものの、これらの停止が国内全体の電力供給に負担を与えている。
ダバオ・ライト社の広報担当であるフェルミン・エディロン氏は、最近行われた治安・安全に関する記者会見で、セブ地震の影響が依然として発電コストに及ぶ可能性があり、その結果、今後の電気料金にも反映されるおそれがあると述べた。
エディロン氏は、「料金上昇の一因は発電機である。セブで発生した地震の影響により、いくつかの発電所が停止し、複数の施設が影響を受けているため、料金が上昇する可能性がある」と説明し、停電の影響は短期的であっても長期的であっても、このような状況が発生するおそれがあると指摘した。
しかし、11月の電気料金が実際に値上がりするかどうかは依然として不確実であり、電力消費量の動向や需給バランスなど、複数の要因が料金に影響を及ぼす可能性がある。家庭では節電を実践することで光熱費の負担を抑えられると呼びかけている。
さらに、発電コストが輸入燃料に大きく依存しているため、世界的な燃料価格が電気料金に大きく影響することを強調した。これは国内で制御できない要因である。
11月に電気料金が調整される可能性がある一方で、ダバオの消費者は10月分の請求で一時的に負担が軽減されている。ダバオ・ライト社の一般家庭向け電力料金は、9月の1キロワット時(以下kWh)あたり10.64ペソから、10月には9.15ペソへと1.48ペソ下がった。これは、月間200kWhを消費する家庭で約297ペソの節約に相当する。この値下がりの主な要因は、ダバオ・ライト社が一部の電力を調達しているフィリピン卸売電力市場(WESM)における供給コストの低下である。
両都市に共通する地震の影響
セブで発生した地震は、ダバオ市で防災体制強化を促す地震が起きたわずか数か月後に発生した。両都市はいずれもフィリピン海溝および中部ビサヤ断層系といった活断層帯上に位置しており、フィリピンが地震活動に対して高い脆弱性を抱えていること、さらにはその影響が電力などの重要インフラにも及ぶことを改めて浮き彫りにした。
電力供給見通し:イエローアラート下でも年末の安定供給を確保
ミンダナオおよびビサヤの電力網では、電力予備が不足していることを示すイエローアラートが2025年11月から12月にかけて発令された。しかし、ダバオ・ライト社とNGCPは、年末の祝日シーズンに十分な電力供給が確保されることを市民に保証している。
2025年9月の「SunStar Davao」の報道によれば、市内の電力状況は安定しており、クリスマスや新年のピーク需要にも対応できる十分な予備電力が確保されているとのことだった。それでも、ダバオ・ライト社は、需要の急増を管理し、電気料金の抑制を図るため、消費者に効率的なエネルギー利用を呼びかけている。
エディロン氏は、ダバオで前払い式メーターの導入に関する議論が進行中であることも確認した。この制度は、すでにマニラ首都圏やセブの一部で導入されている。
不確実な状況下での節電呼びかけ
地震の影響や市場の変動が続く中、エディロン氏は、電力料金は供給量・需要・発電コストに応じて変動し続けると市民に注意を呼びかけている。
クリスマスシーズンを控え、電力会社は市民に、消費量に気を配りながら祝祭を楽しむよう促している。明るく楽しい年末年始を過ごす一方で、環境や経済面での持続可能性を考慮し、エネルギー効率の高い暮らしを心がけることが求められている。







