
サラ・ドゥテルテ副大統領は、2025年8月15日、クウェートのサフィールホテルで開催された「国際ハクバン・ナグ・マイスグークウェート支部(Hakbang ng Maisug International – Kuwait Chapter)」の感謝祭に出席するため、クウェートを訪問した。
副大統領府(以下OVP)によると、ドゥテルテ副大統領は、在クウェートのフィリピン人コミュニティと交流し、彼らが直面している問題や関心事項について意見を交わした。これは、海外に居住するフィリピン人の福祉を代表・擁護する副大統領の職務の一環である。
OVPは、ドゥテルテ副大統領が世界各地のフィリピン人移民コミュニティと積極的に関わり続けることの重要性を強調した。また、副大統領の国外での活動は、すべて現行の政府規則および法令に準拠しており、正当なものであると説明している。
OVPは、2025年8月16日の声明で、「これらの公式活動は、現行の政府規則および法令を完全に順守して実施されており、副大統領の海外滞在は合法であると同時に、公務上の責務とも整合している。さらに、すべての海外渡航において公的資金は一切使用されていない」と述べた。
またOVPは、クウェートでの活動終了後、サラ・ドゥテルテ副大統領がロドリゴ・ドゥテルテ元大統領の釈放に向けた取り組みを継続する予定であることも明らかにした。
一方、ドゥテルテ副大統領は、フィリピン国内における看護師の低賃金が、多くの人々が海外での就労を選択する主な要因であると指摘した。オーストラリア、韓国、オランダなど、彼女が訪問した各国においても、この問題はフィリピン人看護師から共通して寄せられる懸念であったという。
「ヨーロッパには多くのフィリピン人看護師が働いており、ハーグを訪れる者も少なくない。最近、フィリピン国内の看護師とも話をする機会があったが、その中の1人か2人が『インダイ・サラ(Inday Sara:サラ・ドゥテルテ副大統領の愛称)、もし看護師の初任給がせめて月額3万5,000ペソまで上がれば、私は家族を置いてまで海外に行くことはなかった』と語っていた」と述べた。
OVPは、国内外のフィリピン人を支援するために設置された10支所が引き続き稼働しており、常に体制を整えていることを国民に保証した。
2025年8月7日、ドゥテルテ副大統領はダバオにて記者団の取材に応じ、渡航許可を得ずにクウェートを訪れたとの疑惑を否定した上で、この問題はより重要な国家的課題から世論の目をそらすためのものであると主張している。また、上院が自身に対する告発を棄却したことが現政権にとって不都合であったため、その後に今回の疑惑が仕立てられたと述べた。
これに先立ち、フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領がインドを公式訪問中の記者会見において、大統領報道官のクレア・カストロ氏は、ドゥテルテ副大統領が8月8日にクウェートを訪問する予定であるとの報告を受けていたことを明らかにしている。
8月9日までに、カストロ報道官は、副大統領が渡航許可なしにクウェートを訪れたという疑惑を否定し、自身はドゥテルテ副大統領の所在に関する質問に答えただけであり、渡航を確認したわけではないと釈明した。