フィリピンはGDPの約1割が海外からの送金に占められていることが特徴的な、世界有数の移民(海外出稼ぎ労働者)送り出し国である。世論調査機関ソーシャル・ウェザー・ステーションズ(以下SWS)の調査によると、昨年末にフィリピンの成人のうち7%が海外で働きたいと考えているとのことだ。働きたい国のトップはカナダだという。
SWSによると、カナダの他にはサウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、カタールといった中東の国々や、日本、アメリカなどが希望の上位に挙げられているという調査結果が出た。
フィリピン統計局は今月初めに2月のフィリピンの失業率は安定しており、一方で不完全雇用は緩和されたと発表していた。同局によると、2023年2月の失業率は4.8%で、失業者数は247万人に上るという。
また、この調査では、成年に達したフィリピン人の17%が海外移住を望んでいることが明らかになった。海外フィリピン人労働者(OFW)のフィリピン経済への貢献は大きく、ダバオ市政府も彼らをサポートする施策をいくつか執り行っている。とはいえ海外での彼らの待遇など問題も根深い。人々や政府がこれをどう受け止め行動するか、継続的な観察が必要だろう。