【News】ダバオ市の海洋プラスチックごみのリサイクル事業が建設業界に革命を起こす

建設工事

フィリピンでも特に急速な発展を遂げている都市のひとつであるダバオ市では、高層商業ビルやコンドミニアム、高級住宅、住宅団地の開発が市内各地で次々に進められており、建設ブームの只中にあることを示している。

この建設需要の高まりにより、中空ブロックの需要は、2024年から2032年の予測期間中に5%の増加が見込まれている。こうした需要の拡大に対応するため、海岸や河川から回収されたプラスチックごみを再利用し、環境に優しい空洞コンクリートブロックや敷石に再生する循環型経済の取り組みが、今後の市場での成功を期待されている。

ダバオ市における空洞コンクリートブロックの需要割合に関する明確な統計はないものの、同市では1日あたり少なくとも3万個のブロックが必要とされており、その需要は2032年まで年間約5%のペースで増加すると見込まれている。

2025年3月27日、ダバオ市のバンタイ・ダガット・ボランティア協会は、「建設資材の製造:持続可能なプラスチック3R企業開発を通じたプラスチック廃棄物処理施設の革新的技術」と題した画期的なプロジェクトを正式に開始した。この取り組みには、労働雇用省(DOLE)の統合生計プログラム(DILP)から150万ペソの資金が提供されており、半自動の空洞コンクリートブロックおよび敷石製造機の導入が含まれている。本プロジェクトでは、海洋ごみを建設資材へと加工するリサイクル施設の設立を目指している。

このプロジェクトを通じて、プラスチックごみは、高度で環境に配慮した技術によって、高品質な建設資材へと生まれ変わる。3R(リデュース・リユース・リサイクル)の考え方を取り入れることで、環境汚染の軽減に加え、地域における企業育成や雇用創出にも貢献する。

この取り組みは、主要な関係者や地域のパートナーとの連携のもとで実施されており、持続可能な実践と生計向上を統合するモデルケースとして位置づけられている。地域社会が環境保全に積極的に取り組みながら、住民に経済的な機会を提供する方法を示すものとなっている。

プロジェクトの開始イベントには、ダバオ市フィールドオフィスの労働雇用担当官であり生計支援責任者のイザ・ベス・C・ビジャレアル氏をはじめ、マリー・グロセル・C・カントネス氏およびユージーン・C・カイン氏(いずれも生計開発スペシャリスト)が出席した。

また、協会の会長ラファエル・E・ベルメホ氏をはじめ、役員および全メンバーがイベントに積極的に参加し、プロジェクトの成功に向けた力強いスタートを切った。

バンタイ・ダガット・ボランティア協会は、日本政府が資金提供し、国連人間居住計画(ハビタット)が実施する「健康な海きれいな都市イニシアティブ(HOCCI)」の地域パートナーである。この取り組みは、フィリピン海域における海洋プラスチック汚染の削減と、「海洋ごみ国家行動計画(NPOA-ML)」の地域実施を目的とする「プラスチック3Rパイロットプロジェクト」の設立を支援している。

市と対象地域の状況分析を通じて明らかになった課題とギャップに基づき、このパイロットプロジェクトの主な目標は、資源効率の向上にある。具体的には、対象地域から回収されたプラスチックごみのうち32%(年間約47トン)を回避・削減・転用することで、持続可能な3R型のプラスチック事業の推進を目指すことが狙いである。

【News】市内のボランティア団体が海岸のプラゴミをブロックやレンガに再生

【News】ミンタル地区に東京ドーム2個分レジデンス!止まらない建設ラッシュ

【News】ダバオの情報ポータルサイト「ダバオッチ」でサポーター募集開始!

c94f801b2b7c09c2a0f879e7150e1347-300x131.png

ビザ・レンタカー・通訳・翻訳なら | ダバオの日系旅行会社