
フィリピン社会福祉開発省ダバオ地方事務所(以下DSWD-Davao)は、第15期・補足給食プログラム(以下SFP:Supplementary Feeding Program)の一環として、ダバオ地方の合計89,879人の子どもたちに給食を提供する準備を進めている。
2025年7月7日に行われた記者会見で、今年度の対象児童への対応に向けた準備が進められており、現在、食品の配分および調達手続きが進行中であることを明らかにした。
前回の実施期間には、地域全体で122,400人の子どもたちが支援を受けている。
児童発達センター(以下CDC:Child Development Center)に在籍する児童は自動的にSFPの対象となる。また、CDCに在籍していなくても、センター周辺に集まる子どもも対象に含まれる場合がある。
SFPは2011年に開始され、年間120日間の給食提供期間を設定して実施されている。温かい主食とおかずの食事に加え、栄養補助食品なども提供されている。
本プログラムは今年で15年目を迎え、子どもたちの栄養状態の改善に加え、保護者への適切な食習慣や健康的な育児実践の普及を目的として継続されている。
フィリピンでは依然として発育阻害(スタンティング)が深刻な課題であり、政府は子どもの誕生時から始まる適切な栄養管理の重要性を強調している。
栄養教育は、特に4Ps(困窮家庭支援プログラム)の受給世帯を対象に、家庭発達セッション(FDS:Family Development Session)やCDCでの活動を通じて実施されている。
SFPの実施により、子どもの栄養状態は改善し、多くの栄養不足の子どもが給食提供期間終了後に標準体重へ回復している。
プログラム担当責任者のラレイン・T・ビリャベル氏は、2025年7月7日にSMシティ・ダバオで開催された「カペハン・サ・ダバオ(Kapehan sa Dabaw)」で、「昨年は約5,000人の児童が栄養不良の状態にありましたが、120日間の給食提供期間終了後も約2,000人の子どもが引き続き栄養不良のままでした」と述べた。
一方、食習慣に起因する肥満傾向の子どもも一部見られ、そうした児童も本プログラムの対象に含まれている。
DSWD-Davaoはまた、子どもたちの間で増加している菓子類や炭酸飲料、高炭水化物食品の摂取について警鐘を鳴らし、これが肥満の一因となっていると指摘している。保護者には、子どもたちの食習慣を注意深く見守り、健康的な食生活へと導くよう促している。
本プログラムは現在、CDCを運営する全49のLGU(地方自治体)で実施されている。
DSWD-Davaoでは、国民栄養月間を記念して7月31日に地域事務所で閉会イベントを開催する予定である。イベントの主な内容は料理コンテスト、ジングル歌唱大会、クイズ大会などで、地域社会における栄養と健康的な生活習慣への意識向上を図るものである。