
2025年3月14日、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(以下ICC)前で、元大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏の逮捕は違憲であると主張する数百人のフィリピン人移民と支持者が抗議デモを行った。
デモ参加者は、チェコ、ベルギー、フランス、イギリス、ドイツなどヨーロッパ各国から集結した。3月13日に行われた最初の抗議活動は、ドゥテルテ氏のICC到着と同日に実施された。
ミンダナオ出身の留学生ライアン・アン氏は、3月23日(日)にも新たなデモを計画しており、詳細は近日中に発表する予定だと述べた。
一方、フィンランドの首都ヘルシンキでは、主に医療従事者で構成されるフィリピン人グループが、カンサライストリ広場からセナーティントリ広場までデモ行進を行った。
デモ参加者らは「ドゥテルテをフィリピンへ帰せ!」「ICC、彼を返せ!」と唱えながら行進し、「You Raise Me Up」や「Ipaglalaban Ko」など、ドゥテルテ氏に関連する楽曲を合唱した。広場では、彼の政権時代のエピソードを語り合う姿も見られた。
参加者のウィズブレン・アン氏によると、ヘルシンキ警察はデモの参加者を1,000人以上と推定しており、これにより市内の交通が大幅に混乱し、一部の路面電車の運行が一時停止する事態となった。
ドゥテルテ氏は3月14日、ICCに初めて出廷し、麻薬戦争に関連する人道に対する罪の容疑を正式に告知された。
ICC法廷の審理では、ドゥテルテ氏の身元確認、審理に使用する言語の確定、容疑内容の説明が行われた。また、ICCの設立根拠であるローマ規程に基づき、彼の権利が保障されていることも確認された。
ドゥテルテ氏はビデオ会議形式で出廷し、元大統領府長官である弁護人サルバドール・メディアルデア氏が法廷に直接出席した。
3月11日、79歳のドゥテルテ氏は香港からの帰国時に、マニラのニノイ・アキノ国際空港(Naia)で逮捕された。
ICCは、2011年から2019年にかけての超法規的殺害に関与した疑いで、ドゥテルテ氏に対し人道に対する罪の逮捕状を発行しており、ダバオ市長時代の「ダバオ・デス・スクワッド」関連の事件も含まれている。
ドゥテルテ氏はオランダへ送還され、ICCは2025年9月23日に「容疑確認審理」を予定している。