皆さんこんにちは!ダバオッチのリンです。 今回ダバオッチ編集部は5月11日に行われた総領事ミンダナオ空手道新人戦へ取材へ行ってきました!人生で初めて空手の試合を見た筆者でしたが、年齢問わずまっすぐで一生懸命な選手の姿に心を打たれました。チャンピオンになった選手にも取材に応じて頂けたので最後まで読んでいただけたら嬉しいです✨
[試合の概要]
5月11日にDavao city recreation centerにて午前10時から午後5時まで極真空手の新人戦が行われました。今回の大会ではダバオ市から25名、ムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治地域(BARMM)のコタバト市から15名の選手が参加しました!コタバト市はダバオの中心部から車で約6時間程離れたところに位置します。トーナメントには、マニラから、極真空手フィリピン支部長のCamille B. Mayo氏(師範)、Ryan Mayo氏(指導者)、極真会館ダバオ道場のPadilla-Fanilag氏(指導者)、Jeston Mark D. Misterio氏(指導者)、Allan コタバト市からAcmad Montaner氏(指導者)、ダバオ石川総領事、織田副領事、そしてダバオ市、コタバト市から選手の家族等が参加しました。
[試合のスケジュール]
10am-12pm:開会式、型の試合、型の決勝戦
12pm-12:30pm:昼食タイム
12:30pm-5:00pm:組手の試合、組手の決勝、演武、表彰式、閉会式
試合は上記のような流れで行われました。 今回の試合は、国際空手道連盟極真会館ダバオ道場(IKO Davao)が主催となり行われました。 極真空手は1964年に、日本で大山倍達氏が創始した武道であり、伝統的な空手である松濤館や剛柔流に由来しています。
極真会館ではこれまでの極真ルール(I.K.O.フルコンタクトルール)に加え、新たなルールとして「I.K.O.セミコンタクトルール」を2018年6月に新設しました。セミコンタクトルールでは、一発の技が勝負に大きく左右するため、一瞬の駆け引きや武道的な間合いがより重要となると同時に、正しい姿勢で正確に決めなければ、技が認められません。
また、極真空手は「最強の空手」と呼ばれており、その厳格なトレーニングとコンディショニング、規律正しく厳密で、伝統的なマナーで有名です。国際空手道連盟極真会館(IKO)は世界中に 275 の支部を持ち、世界中になんと推定 1,260 万人の修行者がいるそうです!極真会館ダバオ道場は、2017年に始まり、現在Camille B. Mayo氏が所長を務めています。Camille氏は極真空手フィリピンの支部長であり、空手を全く知らない筆者でも動きや雰囲気を見るだけで、とても強いんだろうなと感じるほどオーラのある方でした!
[型の試合]
型は相手がおらず一人で行う競技です。攻撃と防御の組み合わせを一連の流れとしてまとめた「演武」を披露するものであり、1人1人審査員によって採点されます。極真空手の型はスピードやキレを意識する伝統空手よりも重みがあり、精度が高い型と言われています。 今回の大会では、初心者(子供)、初心者(青年)、上級者(青年)に分かれて型の大会が行われました。 このような広い会場で、多くの人に見られながらひとりで競技するのは緊張しそうです…!しかし選手のみなさん、堂々と競技をしていました。三人の審判が演武をみて、終わった後に何点かが表示されたボードを上げます。動きの一つ一つが真剣でとてもかっこよかったです。
[昼食タイム]
型の試合終了後、レストラン「Majid`s Kabab」のムスリムの方々も食べられる、チキンビリヤニが提供されました。筆者もありがたいことに頂いたのですが、チキンがジューシーでとってもおいしく、ペロリと食べてしまいました!ごちそうさまでした✨
[組手の試合]
組手は型とは異なり、一対一で行われます。今回の試合は新人戦であったため、写真の様な防具を着用していますが、上級のクラスになると防具なしで試合を行うそうです。防具をつけていても痛そうなのに、つけずに戦かったらかなり痛いと思います…!今回試合の最中に担架で運ばれる選手もいました。
技や勝敗が決まると観客席からは大きな声援が送られていました!近くで頑張っている姿を見てきたからこそ観客席にいる選手の親御さんや仲間がここまで一緒に熱くなれるのだと思います。試合ではダバオ出身の選手対コタバト出身の選手になることもあれば、同じ市出身の選手同士で闘うこともありました。どんな試合であっても、試合終了後に選手同士でハグや握手をしている姿が印象的でした。
その後スペシャル試合というスケジュールだったので筆者はてっきり、指導者の方同士が組手をするのだと予想していたのですが、なんとこんなにも可愛い選手同士の試合でした。
この試合には会場全体がメロメロになってしまいました(笑)
その後選手と極真会館ダバオ会館の先輩方によってデモンストレーションが行われました!
Jeston Mark D. Misterio氏(指導者)が木の棒に蹴りを入れる演武の様子です。木は丸いものではなく、角ばっており、かなり痛そうで直視できませんでした…!その後Misterio氏に蹴った方の足を見せてもらいましたがやはり赤くなっており、本人も相当痛いと言っていました。
ダバオ石川総領事メッセージ
決勝戦の後、ダバオ石川総領事は「武道とは、敵を倒すためのものではなく、自分を守るためのものである。武道を学ぶことによって、自制心を鍛えること、他人への思いやりと敬意、平和のありがたさを学び、立派な人間になってほしい。そして、武道を通して日本を好きになってほしい」と選手等にメッセージを贈りました。 その後表彰式においてCamille氏から表彰状が、石川総領事からトロフィーが手渡されました。
極真空手フィリピン支部長のCamille氏メッセージ
閉会式にて極真空手フィリピン支部長のCamille氏によるスピーチが行われました。 「今回この大会をサポートしてくれた皆様に感謝の意を表明する。この新人戦は第一歩に過ぎない。トレーニングを積めばもっと強くなっていく。今後も練習を続けさらに自分自身を鍛えていってほしい」と語りました。
選手へのインタビュー
大会終了後、コタバト出身で組手の65kg以下の部でチャンピオンになったAmir Hashim Maulid氏(21才)に3つの質問に答えて頂きました!
Q1.何年間空手をやっているか
-3年前の2021年から始めた。他にも様々なスポーツに取り組んできたが、その中で空手は最も自分に合っていると感じているため現在まで続けている。
Q2.日頃行っているルーティーン
-毎朝30分から40分のランニングを欠かさずに行っている。また、コンクリートブロックを作る仕事を手伝っており、それによってより強い身体をつくることが出来ていると思う。
Q3.コーチから学んだ中で特に大切にしている教訓
-ルーティーンをさぼることなく続けること、自分だけでなく他人にも利益をもたらすということを大切にしている。
また、今回試合で審判を行ったコタバト出身のBaihanie Talambo氏(28才)は、このようにコタバトの選手とダバオの選手が合同の試合は貴重な機会であり、選手はお互いにテクニックやモラルを身に着けることが出来るだろう、また、このような場で新しい人々と出会うことを楽しみにしていると語ってくれました。
6時間離れた地において、このようにベストを出すことが出来たのは、日頃の努力とそれによる自信があったからだと思います。筆者はMaulid氏が大切にしている、自分だけでなく他人に利益をもたらす”Benefit Others”という言葉が心に残りました。インタビューに応じて頂いたお二方、本当にありがとうございました!今後の活躍も期待しています✨
【まとめ】
今回は総領事杯ミンダナオ空手道新人戦に密着しました!いかがでしたでしょうか。 空手がフィリピンにおいてこんなにも熱量をもって行われていることに驚いた方もいるのではないでしょうか。
防具をつけていても、相手の攻撃が当たったら痛いと思うのですが、それでも果敢に挑んでいく選手等は強いなと思いました。また、今回は空手の大会でも、ムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治地域のコタバト市の選手とダバオの選手が合同で試合を行うという貴重な大会でした。今年の12月にはコタバト市にて全国大会が行われるそうなので、そちらの試合にも注目です!
ダバオッチではダバオの習い事特集において極真空手を紹介しています!下の記事にてより詳しい情報を紹介しているので、気になる方は是非そちらの記事も読んでみてください!✨最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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