新型コロナウイルスの感染拡大以降、世界中でビジネスが立ち行かない場面が多くみられた。それはダバオ地方でも同様で、失業率も急増した。しかしながら、2021年にはワクチン接種が急速に進んだことを受け、2022年は徐々に成長に転じるだろうと予想されている。この証拠となる数値も、いろいろと出ているようだ。
フィリピン国家経済開発庁(Neda-Davao)のLourdes Lim氏は、「2022年のダバオ地方経済は良くなるだろうと期待しています。フィリピンの景気動向と同じか、超えるくらいにはなると思っています」と語った。これまでの動向を振り返ると、2016~2019年にかけて、ダバオ地方はフィリピンの国内総生産(GDP)を上回る成長を見せていた。順位でいうと、2016年は国内2位、2017年は4位、2018・2019年は3位といった具合だった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大以降、減少に転じていた。2020年がもっとも減少したが、2021年はビジネス再開、ワクチン接種推進といった取り組みもあり、徐々に上昇へと転じている。
物価の上昇も継続している。毎年4.6%の推移で上昇しており、その主要因は交通、食品・清涼飲料、お酒タバコ(前から順に7.6%、5.6%、7.2%)だという。その他にも、住宅、水、電気、ガスなどのエネルギー関連で4%ほどの価格上昇がみられる。医療、レストラン・日用雑貨、衣料、家具、工具などでも物価が上がっているという。Lim氏は、「多くの人がワクチンを接種し、新しい条件下でビジネスもおこなわれるようになったため、需要や消費意欲が高まったことが要因でしょう」と語っている。
雇用面でも改善が見られている。2022年1~9月の雇用率は、コロナ禍以前の95%代へと回復した。失業率も17.9%から4.9~5.4%にまで改善している。移動することへの不安感が払しょくされつつあるため、もっと質の高い仕事が生み出されていくだろうと、Lim氏は見通している。コロナ禍で失業した人数や事業者数にも言及があり、失業者数は11,871名、事業者数は586か所だったという。また、業界でいうと、農業、林業、漁業、行政支援サービス、その他サービスがその大部分を占めたという。
2022年、ダバオ地方全体がさらに成長していけばと思う。