ダバオ市でバスの普及を図る「ハイプライオリティーバスシステム(HPBS)」計画は、さまざまな恩恵をダバオ市の交通事情にもたらすことが期待されている。ダバオ市災害ラジオに出演した運輸省(DOTr)計画開発局のChrismae Babia氏は、その中でもバスが「安全」に寄与する点について言及した。
Babia氏は、同計画の最も優先度の高い項目は乗客の安全だと述べ、バスやバス停には複数の安全に関する施策がおこなわれると述べた。そして、「防犯カメラを安全のために配置します。予期せぬ出来事が発生した際、乗客の動きを監視するためです。これらの安全対策により、攻撃的行為を抑止していければと思います」と語った。さらに、バスはダバオ市のいたるところを行き交うことになる。バスの運転手が不審な乗客や、市内の不審な箇所に気づき通報することで、ダバオ市の安全性はさらに増すことだろう。
先日までおこなってきた計画段階では、身体に障がいを患う人や女性などにもヒアリングをおこなってきた。誰もが安全に乗ることのできるバスにするための取り組みだ。Babia氏は、「ダバオ市では『Culture of Security(安全を確保することを文化に)』の取り組みをおこなっています。バスは通勤のために日々使うものですから、バスを導入することで報告や監視という面で市全体の安全に寄与できるものと信じています」と語った。
ジープニーの運転手など、この計画の影響を受けるであろう人々に関して、Babia氏は、この計画はダバオ市の発展やダバオ市民の福祉のために長期的に役立つものだと述べた。そして、「この計画が形になることで、ダバオ市民の皆さんも、能率的で、より快適で、便利で、安全で、持続可能な生活を実感するものと思っています」と語った
今までであれば渋滞により実現不可能とされていた到着時間の見通しをもつことがアプリをとおしてできるようになり、ジープニーの数が減ることで渋滞緩和にもつながる。実際に、ダバオ市ですでに一部運行が始まっているバスの乗客は、ジープニーよりも乗り心地がよいと評価している。
ダバオ市内を走るジープニーがバスに変わっていくことで、ダバオ市には多くの恩恵がもたらされることになりそうだ。