【News】ダバオ・オリエンタル州、マカンボル鉱山の環境破壊阻止へ苦情提出・操業を徹底監視

自然災害

ダバオ・オリエンタル州政府は、マカンボル鉱山プロジェクトに対し、操業に伴う環境問題を理由に正式な苦情を提出した。

州知事のネルソン・L・ダヤンヒラン氏によれば、この苦情はフィリピン環境天然資源省(以下DENR)長官、ミンダナオ開発庁(MinDa)、さらにはフィリピン大統領府にも送られているという。

ダヤンヒラン知事は、「私たちはすでに行動を起こしました。書類は国の関係機関および大統領府に提出済みで、現在、彼らの対応を待っています。私たちの立場は揺るぎません。ダバオ・オリエンタルの自然環境に対するいかなる脅威も許すことはできません」と述べた。

知事は、提出された書類には地域住民の懸念、環境リスク、そしてマカンボル周辺の保護生態系への長期的な被害の可能性が記されていると説明した。これに先立ち、州議会も、介入の要請と徹底的な審査が行われるまでの鉱山活動の一時停止を求めていた。

地方・国の鉱業規制法

ダバオ・オリエンタル州政府は、違法な鉱業活動を行った者は、共和国法 第7942号(1995年フィリピン鉱業法)および共和国法 第7076号(1991年小規模鉱業法)に基づき、厳しい罰則を受ける可能性があるとして、改めて住民に注意を喚起した。

罰則には逮捕、設備や鉱物の没収、罰金、操業の永久停止などが含まれる。

州内での鉱業活動禁止に関する公的通知も配布されており、住民には、違法な採掘や夜間運搬、鉱物の不審な移動を発見した場合には、環境天然資源局(以下ENRO)、地元警察、バランガイ(行政区)当局、または最寄りの軍事駐屯地に直ちに通報するよう呼びかけている。

さらに、州政府は、マラヤグおよびマカンボルでの同時執行措置を踏まえ、環境保護への取り組みを改めて強く表明した。

州政府の取り組み

ダヤンヒラン知事は、州は「違法かつ無責任な鉱業に対する取り組みを強化しつつ、環境を保護する」と話した。地方自治体は、マカンボル鉱山に関して提出された苦情に対する国政府の対応を待つ間も、操業の監視を継続することを約束した。

マカンボル鉱山に関する懸念

これまでに、地域開発支援団体(IDIS:Interface Development Interventions)は、ダヤンヒラン知事が呼びかけたマカンボルでの「破壊的な鉱業活動」の停止要請を支持している。知事は以前、少なくとも200ヘクタールの土地がすでに影響を受けていると警告し、ユネスコ世界遺産であるハミギタン山脈野生生物保護区周辺地域の保護の緊急性を強調した。

IDISは、これらの懸念に同調し、同地域での採掘を続ければ「重要な生態系や生物多様性保全区域に不可逆的な損害を与える」と指摘した。同グループはまた、州内で操業する鉱業会社に対して許可を与えたDENRに、これらの許可の再評価を求めた。

一方、DENR 鉱山地質局(以下MGB:Mines and Geosciences Bureau)は、ダバオ・オリエンタル州内の鉱業地域を引き続き監視・評価し、鉱業会社が報告したデータの妥当性を確認していると述べた。

今年発表された声明で、DENRは、現在行われている採掘が一部団体の主張とは異なり露天掘りではなく、地形への影響を最小限に抑える「等高線採掘(Contour Mining)」で行われていることを明言した。

また、MGB当局は、鉱業会社の「鉱物生産分配契約(MPSA:Mineral Production Sharing Agreements)」が依然有効であり、政府関係者、地域住民、環境団体を含む多者監視チームによって定期的に監視されていることも説明した。

環境破壊に対する取り締まりを強化

州政府は、マカンボル鉱山に関する国の対応を待つ間も、違法かつ環境破壊的な鉱業活動に対する取り締まりを強化している。

ルポンのバランガイ・マラヤグでは、ENROへの報告に基づき、サムログ川沿いでの違法鉱物採取に対して執行作業が行われた。これは、地方自治体による採石活動停止の2025年版行政命令第38号にもかかわらず実施されたものである。

ダヤンヒラン知事は、州全域での無許可採掘や砂利・鉱物の運搬を取り締まる2025年版行政命令第72号の執行を、複合部隊に命じた。知事は、違法な鉱業活動はあらゆる形態で容認できず、環境、地域の安全、州の天然資源の保全に害を与えると強調し、「私たちの環境保護は、もはや先延ばしにできない。サムログ川やダバオ・オリエンタル州内のその他の地域を、私たちの子どもたちや将来の世代のために守らなければならない」と述べた。

知事はさらに、マラヤグでの取り締まりは環境保護のより広範な取り組みの一環であり、マカンボル問題に対する州の姿勢を反映したものであると述べた。

一方、ENROの代理部長デバート・B・ジェネラル氏は、フィリピン国家警察(PNP)、フィリピン陸軍第701歩兵旅団および第66歩兵大隊、州情報局(PIO)、マラヤグ・バランガイ評議会を含む複合タスクフォースを率い、監視、巡回、検問、直接執行作業を実施した。その結果、違法に採取された鉱石や、作業に使用された設備・車両が押収された。

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