フィリピン沿岸警備隊 南東ミンダナオ管区(以下CGDSEM)は、ビサヤ地方への全ての船舶および水上艇の航行を一時的に停止していた措置を解除した。
CGDSEMは、2025年11月付で発出した「海上航行勧告第002号(Sea Travel Advisory No. 002-2025)」において、航行停止措置の解除を発表した。
この勧告は、フィリピン沿岸警備隊のフィリップス・ソリア准将によって署名されたもの。
同勧告では、「現在の悪天候や海上の不安定な状況下では、航行中のすべての船舶・水上艇は引き続き十分な警戒を行うように」と注意を呼びかけている。
CGDSEMは11月3日、台風ティノ(国際名:カルマエギ)の接近を受け、ビサヤ地方との往来を一時的に停止していた。
当時、フィリピン科学技術省(DOST)は、熱帯低気圧情報 第6号を発表し、ビサヤ地方南部において台風シグナル3が発令されていた。
台風ティノへの備えとして、CGDSEMは即応部隊(DRG:Deployable Response Group)を待機態勢とし、必要に応じて迅速に出動できる体制を整えた。
また、同管区は「海上における人命と財産の安全を確保するため、今後も警戒を続ける」としている。
さらに、CGDSEMはダバオ市内の漁民を対象に情報啓発活動を実施し、台風接近に伴う海上の危険性について注意喚起を行った。
台風ティノは、11月4日午前0時ごろ、南レイテ州シラゴ町に上陸。その後、11月4日から翌5日未明にかけてビサヤ地方および北パラワンを横断した。
国家災害対策本部(OCD)の発表によると、台風ティノによる死者数は114人に上り、そのうちセブ州で71人、ネグロス・オクシデンタル州で18人、ネグロス・オリエンタル州で12人、アグサン・デル・スル州で6人、南レイテ州で2人、アンティケ、カピス、イロイロ、ボホール、レイテの各州で1人ずつ確認された。
また、行方不明者は計127人(セブ州で65人、ネグロス・オクシデンタル州で62人)、負傷者は82人にのぼっている。







