サマル島(イガコス)市は、ごみ収集能力の向上と、島内での監視体制の効率化を図るため、「トラッシュトラック(TrashTrack)」アプリを搭載したごみ収集車用のタブレット端末14台を受け取った。
イガコス市のレムエル・T・レイエス市長は、ダバオ市環境天然資源局(以下CENRO)の上級環境管理スペシャリストであるキム・ジョシュア・ガルシアノ氏とともに、ケソン市で開催された、フィリピンにおける「デポジット制度(DRS:Deposit Return System)」実現可能性調査に関するプレゼンテーションで、これらの端末を受け取った。
これらのタブレット端末は、EPPICプロジェクトの一環として、ノルウェー外務省、ノルウェー開発協力庁(Norad)、国連開発計画(UNDP)、そしてフィリピン環境天然資源省(DENR)の協力によって提供された。
サマル島情報局は、2025年10月31日のフェイスブック投稿で、「この協力は、市の環境施策と循環型社会への取り組みをさらに前進させる一歩となる」と述べている。
アプリで廃棄物管理を集中化
「トラッシュトラック」は、島内の廃棄物収集と管理を集中化し、効率的に監視するために設計された。
このアプリはリアルタイムでデータを提供し、CENROが各バランガイ(行政区)で回収されたごみの量を把握できるようにする他、業務の効率化や廃棄物管理計画の改善にも役立てられている。
また、このアプリを通じてごみ収集業者は、支援が必要なプーロック(最小行政区)やバランガイを特定し、収集上の課題に迅速に対応することが可能になった。
また、より効率的な廃棄物管理の仕組みを導入できるようになった。
サマル島内のごみ収集状況
プラスチック・スマート・シティ(Plastic Smart Cities)による廃棄物分析・分類調査によると、イガコス市では1日あたり約14.9tの固形廃棄物が発生しており、そのうち約11.7tが回収され、残る約3.2tは未回収のまま残っている状況にある。
2025年1月24日に実施された「ゼロ・ウェイスト(Zero Waste)月間」を記念した清掃活動で、サマル市の地方自治体(LGU)は、364人のボランティアの協力を得て、1,249kgの不燃ごみ、83kgの生ごみ、30kgのペットボトルを回収した。
さらに、2025年9月19日に「国際沿岸クリーンアップデー」に合わせて実施された島全体での清掃活動では、市内3地区で合計約1.84tのごみが回収された。回収物には、ペットボトル、ガラス瓶、軟質プラスチック、残渣ごみなどが含まれていた。
海洋ごみ
2024年11月8日には、「持続可能な開発のための連携推進団体(IDIS:Interfacing Development Interventions for Sustainability)」が主導する別の清掃活動が実施され、イガコス市のサバン海岸沿いで、533点の混合廃棄物が回収された。
この清掃活動は、カカオ地区からサバン・クリフにかけて行われ、回収されたごみには、食品包装、プラスチックボトル、日用品、漁具、プラスチックカップ、ペットボトルなどが含まれていた。







