こんにちは!ダバオッチのゆいです。
ダバオの市場やスーパーを歩いていると、
「Bangus」「Tulingan」「Bariles」—そんな聞き慣れない魚の名前がずらりと並んでいるのを目にします。
どんな魚なんだろう?と気になったことはありませんか?
実はこれらはダバオで話されるビサヤ語(Bisaya)やフィリピンの公用語であるタガログ語(Tagalog)での呼び名。
今回は、そんなダバオでよく見かける魚を、タガログ語またビサヤ語・英語・日本語の3つの呼び方で紹介します。名前の意味を知ると、買い物やレストランのメニューがもっと楽しくなるはずです!
後半にはイカやタコ、貝や海藻なども幅広く取り上げています。
ぜひ最後までご覧ください!
目次
- Bangus(バングース)ー Milkfish(ミルクフィッシュ)
- Lapu-lapu(ラプラプ)ー Grouper(ハタ類)
- Mayamaya(マヤマヤ)ー Red Snapper(フエダイ類)
- Tulingan(トゥリンガン)ー Mackerel Tuna(カツオ)
- Barilison(バリリソン)― Yellowfin Tuna(キハダマグロ)
- Matambaka(マタンバカ)― Bigeye Scad(メアジ)
- Dalagang Bukid(ダラガンブキッド)― Yellowtail Fusilier(タカサゴ)
- Moromoro(モロモロ)― Sardine(イワシ類)
- Goat Fish(ゴートフィッシュ)ー Goat Fish(ヒメジ)
- Tugnos(トゥノス)ー Whitebait(しらす)
- Kitang/ Danggit(キタン/ダンギット)ー Rabbitfish(アイゴ)
- Talakito(タラキート)ー Great Trevally(ロウニンアジ)
- Molmol(モルモル)― Parrotfish(ブダイ)
- Espada(エスパーダ)― Swordfish(タチウオ)
- Belong Belong(ビロンビロン)― Mene(ギンカガミ)
- Tilapia(ティラピア)― Tilapia(ティラピア)
- Hito(ヒト)― Catfish(ナマズ)
- Kugita(クギータ)― Octopus(タコ)
- Kasili(カシリ)― Moray Eel(ウツボ)
- Pusit(プシット)― Squid(イカ)
- Pusit lumot(プシットルモット)ー Cuttlefish(コウイカ)
- Alimango(アリマンゴ)/Alimasag(アリマサグ)― Mud Crab/ Blue Swimmer Club(ノコギリガザミ/ワタリガニ)
- Sugpo(スポ)ー Prawn (大〜中型のエビ)/Pasayan(パサヤン)― Shrimp(小型のエビ)
- Bildat/ Tahong(ビルダット/タホン)ー Green Mussel(ムール貝)
- Haalan(ハアラン)ー clam(アサリ類)
- guso(グソ)ー 海藻
- lokot(ロコット)ー 海藻
- Lato(ラト)ー Sea Grapes(海ぶどう)
- まとめ
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Bangus(バングース)ー Milkfish(ミルクフィッシュ)

フィリピンの魚といえば、バングース!
白身で柔らかく、脂がのったフィリピンの国魚です。日本近海には生息していないため、フィリピンでしか味わえない特別な魚でもあります。見た目はボラに似ていますが、ボラに比べて顔がやや尖っているのが特徴です。
調理方法も幅広く、焼き魚やフライ、酢漬けなどさまざまに楽しまれています。スーパーでは「Boneless Bangus(骨なし)」が手軽に手に入るのも嬉しいポイントです。
💡メモ
- ルソン島では「バングース祭り(Bangus Festival)」が開催されるほどの人気ぶり。地元の人々にとって、なくてはならない魚と言えるでしょう。
Lapu-lapu(ラプラプ)ー Grouper(ハタ類)
日本でも高級魚として知られるラプラプ!
身が締まって弾力があり、淡白で上品な味わいが特徴です。ここダバオでも最高級魚として扱われており、中華料理店では定番メニューとして「Steamed Lapu-lapu(蒸し魚)」を目にすることができます。蒸し料理やスープにすると旨味が引き立ち、特別な食事やおもてなしにもぴったりです。
💡メモ
- 名前の由来は、マゼランを打ち破ったことで知られるフィリピンの英雄「ラプ=ラプ王」にちなんでいるといわれています。
Mayamaya(マヤマヤ)ー Red Snapper(フエダイ類)
ラプラプに並ぶ高級魚、マヤマヤ!
赤と白のマヤマヤもフィリピンで人気の高級白身魚です。
市場やスーパー、レストランでもよく使われる魚で、その上品な味わいから多くの料理に適しています。特に煮込みやスープ、蒸し料理に向いており、料理の旨味を引き立ててくれます。
💡メモ
-
ここまで読んで気づいた方もいるかもしれませんが、フィリピンの魚にはラプラプやマヤマヤのように、単語を繰り返して名前が付けられているものが多くあります。これからもいくつか登場するので、ぜひ覚えてみてください!
Tulingan(トゥリンガン)ー Mackerel Tuna(カツオ)

小さいサイズが特徴のトゥリンガン!
日本ではタタキで親しまれるトゥリンガンですが、フィリピンでは酢煮込み「Paksiw na Tulingan」として調理されることが多く、保存がきくため家庭料理の定番としても人気があります。
フィリピンのスーパーでは、日本ではあまり見かけないほど小ぶりのカツオが並んでいるのが特徴的です。カツオと聞くとマグロに並ぶ大型回遊魚を想像しがちですが、フィリピンではアジやサバほどのサイズのものが一般的です。
小ぶりのトゥリンガンは安価で手に入りやすく、骨が少ないため調理しやすいのも嬉しいポイントです。
Barilison(バリリソン)― Yellowfin Tuna(キハダマグロ)
魚の王様、バリリソン!
ダバオ近郊は、マグロの産地としてもよく知られています。市場やスーパーでは、カマやハラミ、アタマなどさまざまな部位が販売されており、BBQなどでもよく食べられています。
また、マバリリソンは鮮度が良ければ生で食べることも可能で、きゅうりとお酢を混ぜた「キニラウ(Kinilaw)」が定番料理です。さらに、切り身が冷凍で手に入ることも多く、さまざまな料理に活用できる万能なお魚として親しまれています。
Matambaka(マタンバカ)― Bigeye Scad(メアジ)

扱いやすく万能の魚、マタンバカ!
小型の青魚で手頃な価格が魅力のマタンバカ。塩焼き、唐揚げ、酢漬けなど、さまざまな料理に使える万能な魚です。特徴としては、尻尾の近くに硬くなった部分「ぜいご」がある点です。写真のマタンバカは、色鮮やかで目が透明な、鮮度の良い状態のものです。
💡メモ
名前の由来は「mata(目)」+「baka(大きい)」で、“目の大きい魚”という意味があります。
Dalagang Bukid(ダラガンブキッド)― Yellowtail Fusilier(タカサゴ)

小ぶりで手頃な価格が魅力、ダラガンブキッド!
スーパーではあまり見かけませんが、バンケロハンやアグダオマーケットでは目にすることができます。日本では沖縄でよく食べられており、県魚に指定され、「グルクン」の愛称で親しまれている魚です。
塩をふって揚げるだけで美味しく、家庭料理にもよく使われます。
💡メモ
- 海の中を泳いでいるときは、きれいな黄色い尻尾と青色のボディが特徴で、英名の「Yellowtail」はこの見た目に由来しています。
- ダラガンブキッドは直訳で「畑の女の子」。青い海で色鮮やかな様子が少女に喩えられているようです。
Moromoro(モロモロ)― Sardine(イワシ類)

小ぶりで丸い体が特徴のモロモロ!
サイズは小さいですが、旨味がしっかり詰まった魚です。揚げ物やスープ、酢漬けなど、さまざまな料理に使われ、ローカルの家庭では日常的に食卓に登場します。缶詰にされたモロモロは、どんな料理にも使える万能アイテムとしても重宝されています。
骨がやや多めですが、その香ばしさも魅力のひとつ。小魚なので、丸ごと調理するのが基本です。
Goat Fish(ゴートフィッシュ)ー Goat Fish(ヒメジ)

鮮やかな見た目と髭が特徴のGoat Fish!
現地語名を市場の人に聞いたところ、英語名と同様に Goatfish だと教えてもらいました。柔らかい身をした白身魚で、焼き魚にすると最高に美味しいです。砂地に生息しており、触覚が髭のような形をしているため、英語名では Goatfish、日本の一部地域では「おじさん」となんとも不名誉な名前で呼ばれています。
Tugnos(トゥノス)ー Whitebait(しらす)

食用で一番小さい魚、トゥノス!
フィリピンでのトゥノスは、主に湯がいたものをサラダに混ぜたり、フライにしてスナックとして食べられています。ほかにも、ギナモスと呼ばれる塩辛の主な材料にもなっています。
フィリピンのおかずはライスに合う濃い味付けのものが多いため、魚料理は大活躍です。ギナモスも、これだけでライスがどんどん進む一品です。
Kitang/ Danggit(キタン/ダンギット)ー Rabbitfish(アイゴ)
干し魚の代表、キタンとダンギット
どちらもアイゴに似た見た目をしていますが、キタンは斑点がよりはっきりしているのが特徴です。実は背びれに軽度の毒を持っているため、扱う際は注意が必要です。
市場ではさまざまな魚が干物として並んでいますが、キタンとダンギットは干し魚の代表格です。保存が効き、おかずとしてもスナックとしても楽しめる万能な魚です。
筆者はまだ食べたことはありませんが、日本では時期によって磯臭さが強く、市場にあまり出回らない魚です。一方、ダバオでは市場だけでなくスーパーでも手に入り、独特の風味を気軽に味わえるので、ぜひ試してみてほしい魚です。
Talakito(タラキート)ー Great Trevally(ロウニンアジ)

釣り人の憧れ、タラキート!
写真のサイズは約40cmですが、最大では2mを超えることもある巨大なアジです。味は淡白で引き締まった白身で、揚げ物や塩焼きなど、シンプルな調理でもその旨味をしっかり楽しめます。
釣り人にとっては、力強い引きとサイズ感が大きな魅力で、人気のターゲットとなっています。
💡メモ
- 海面付近を飛ぶ鳥を捕食する魚としても知られています。
Molmol(モルモル)― Parrotfish(ブダイ)

ザ南国のお魚、モルモル!
鮮やかな体色が特徴の美しい魚。主に青はオス、赤はメスの色です。
白身でほのかに甘く、焼いても煮てもおいしいお魚です。
南国の海ならではのカラフルな魚で、シーフードコーナーを色づけてくれます。
Espada(エスパーダ)― Swordfish(タチウオ)

フィリピンにもいたのか、エスパーダ!
日本では秋が旬のお魚。フィリピンでの漁獲量はそこまで多くないのか、市場で目にすることは稀です。
長くて銀色に光る姿から「Espada(=剣)」と呼ばれています。
身はやわらかく、塩焼きやフライにすると絶品です。ただ、小骨が多く、形も他の魚に比べて特徴的な形のため捌くのが難しい点に注意です。
Belong Belong(ビロンビロン)― Mene(ギンカガミ)

まるで深海魚の見た目、ビロンビロン!
丸く平たい銀色の魚で、光沢のある姿が特徴。
個人的に日本ではみたことのない魚で深海魚のような見た目をしています。調理方法は想像もつきませんが、酢漬けやフライにして食べられることが多いそう。ダバオの市場では手頃な価格でよく見かけるお魚です。
Tilapia(ティラピア)― Tilapia(ティラピア)
シーフードコーナ唯一の淡水魚、ティラピア!
まさかの淡水魚のティラピアですが、どこのスーパーでも市場でもかなりの確率で目にします。日本ではその名前こそ耳にしたことがありますが、食べたことも見たこともほとんどありませんでした。身は淡白で食べやすく、唐揚げとして家庭料理の定番です。
オフィス近くの食堂にも丸揚げが並んでいました。
Hito(ヒト)― Catfish(ナマズ)

BBQの定番、ヒト!
ナマズは日本で広く知られていますが、食用としてはあまり用いられません。しかしフィリピンではBBQに丸揚げが登場することもあり、多くの人に親しまれている魚です。
味は濃厚で、皮にコラーゲンが多いのが特徴です。
ぜひあなたも“ヒト’’を食べてみてください!
Kugita(クギータ)― Octopus(タコ)

唯一無二の食材、クギータ!
日本ではタコ焼きや刺身が定番ですが、フィリピンでは煮込み(Adobong Kugita)にすることが多いです。柔らかく煮ると旨味がしっかり出ます。余談ですが、TAKOYAKIはダバオのストリートフードとして親しまれていますが、中にタコは入っておらず、代わりに、チーズやソーセージなどが入っています、、、
Kasili(カシリ)― Moray Eel(ウツボ)

誰が捌けんの?、カシリ!
長くてうねるような体を持ち、海のギャングの呼び名で知られるウツボ。見た目は少し怖いですが、白身で脂がのっていて鶏肉のような食感で旨味があります。小骨が多く、こちらも捌くのが難しい魚として知られます。
Pusit(プシット)― Squid(イカ)

アドボの定番食材、プシット!
炭火焼きにもフライにも使える万能食材プシット。市場でもスーパーにも出回る人気の海鮮。
フライ、グリル、イカ煮込み(Adobong Pusit)など、ローカル家庭でも頻繁に登場します。Adobong Pusitはライスの進む、筆者の大好物です!
Pusit(プシット)はタガログ語での呼び名です。写真の「Nocus」はビサヤ語での名前になります。ダバオではビサヤ語が主に話されていますが、タガログ語であるプシットの呼び名の方がより一般的に使われているように感じます。
Pusit lumot(プシットルモット)ー Cuttlefish(コウイカ)
甘みが強いイカ、プシットルモット!
小さなプシットに比べて値段は張りますが、弾力が強く噛めば噛むほど甘みを感じられるのが特徴です。BBQの炭火で焼いて食べると絶品。
左の写真は朝市に並ぶもので、右の写真はスーパーに並ぶもの。見比べてみると、市場のプシットルモットの方が赤みがかっていて新鮮なことがわかります。時間が経つとスーパーのもののように赤みが消え、白くなっていきます。
英語名はイカなのにfishがつきます。
Alimango(アリマンゴ)/Alimasag(アリマサグ)― Mud Crab/ Blue Swimmer Club(ノコギリガザミ/ワタリガニ)
ダバオでは大型のアリマンゴ(Alimango)と、青い殻のアリマサグ(Alimasag)の2種類が一般的。アリマンゴは泥やマングローブなどの汽水域に生息し、濃い灰色から茶色にかけた色合いを持ちます。一方でアリマサグは海洋に生息し、青みがかった色合いを持つのが印象的。どちらも甘みが強く、蒸しやスープに向いています。
💡メモ
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Alimango:泥ガニ。大ぶりで肉厚。
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Alimasag:ワタリガニ。小ぶりで甘みあり。
Sugpo(スポ)ー Prawn (大〜中型のエビ)/Pasayan(パサヤン)― Shrimp(小型のエビ)
スポは、大〜中型のエビを指し、プリッとした身と甘みが特徴。BBQ、蒸し物、シニガン(酸味スープ)など、存在感のある料理にぴったりです。レストランでは高級食材としても扱われ、特別な日の食卓にも登場します。
一方、パサヤンは小型のエビで、家庭料理の定番。炒め物や揚げ物、スープ、シニガンに加えるなど、手軽に使えて毎日の食卓を彩ります。手頃な価格で手に入りやすく、地元のマーケットでは一年中購入可能です。
どちらも新鮮なものは味が濃く、フィリピン料理に欠かせない食材です!
Bildat/ Tahong(ビルダット/タホン)ー Green Mussel(ムール貝)

ダバオの市場で見かけるビルダットやタホン!
身がぷりっとしたムール貝で幅広く使われる、身近で万能な食材である。
調理法も多様で、蒸すだけのシンプルな料理でムール貝本来の旨味を楽しむこともできるし、ニンニクバターで香ばしく炒めれば、食欲をそそる一品になる。ビールやご飯のお供としても最適である。
Haalan(ハアラン)ー clam(アサリ類)

身も出汁も楽しめる、ハアラン!
イタリアンレストランのシーフードパスタに登場したのを一度食べました。それ以外見たことがありませんが、スープにして食べられるのが一般的だそう。出汁が出て美味しくなるに違いありません。
この他にもあさり類の貝がいくつかありますが、正確に特定することができませんでした、、、
guso(グソ)ー 海藻
ザ海藻の見た目、グソ!
1分ほどボイルをして、玉ねぎやお酢と混ぜてサラダとして食べるのが一般的だそう。野菜が少ないフィリピン料理の貴重な野菜要員です。発音はグソ↑ではなく、グソ↓です。袋詰めされたグサがスーパーでよく売られています。
グソと次に登場するロコットは該当する日本語・英語が見つからなかったため海藻としています。
lokot(ロコット)ー 海藻

絶妙な色合い、、ロコット!
筆者は食べたことがありませんが、グサと同様にボイルしてサラダとして食べられることが多いのだそう。正直、食欲がそそる色ではありませんが、ここでしか食べられない食材です。
Lato(ラト)ー Sea Grapes(海ぶどう)

独特なプチプチ感を持つ海藻、ラト!
日本では主に沖縄で食べられている海藻です。フィリピンではレストランや食堂に刻んだきゅうりや玉ねぎと混ぜて、お酢で味付けされたラトサラダが並ぶのをよく目にします。
しかし海水の塩がかなり強く残っており、塩辛さを感じることが多いため、ライスは必須です。日本と比べて値段はそこまで高くないので、だばおを訪れた際はぜひラトを食べてみてください!
まとめ
海が近いダバオでは、市場やスーパーに朝採れの新鮮な海鮮が並び、街には数多くの海鮮レストランが立ち並んでいます。
またダバオの海鮮は種類が非常に豊富で、この記事だけでは紹介しきれないほど奥が深いのです。中には日本では見かけない海産物も多く、ここでしか味わえないものもたくさんあります。
スーパーや市場を訪れた際は、ぜひこの記事を思い出して、ダバオの魚たちを味わってみてはいかがでしょうか。









