ダバオを拠点とするもう一つの学術機関が、アジアの有力大学の仲間入りを果たした。
島内最大の私立非宗派系大学であり、認定学術プログラム数でフィリピン国内でも有数の実績を誇る「ミンダナオ大学(以下UM)」が、2026年版「クアクアレリ・シモンズ(以下QS:Quacquarelli Symonds)」アジア大学ランキングに初めて名を連ね、1,301~1,400位のグループに入った。
今回のUMのランク入りは、同大学にとってだけでなく、ダバオ市およびミンダナオ地方の高等教育分野にとっても大きな節目となるものであり、国際的な学術舞台で評価を受けるミンダナオの大学群の一員として、新たにその名を刻んだ。
この成果はUMコミュニティ全体で祝福されており、大学の教育の質、力強い研究文化、そして地域社会への影響力の拡大を裏づけるものとして高く評価されている。
UMは近年、その学術的地位のさらなる強化に力を注いできた。高等教育委員会(以下CHED:Commission on Higher Education)は、同大学の複数のプログラムを卓越センター(COE:Center of Excellence)および発展センター(COD:Center of Development)に指定しており、UMはミンダナオ地方で最も多くのCOEおよびCODを有する大学となっている。
この実績は、同校が掲げる「誰もに開かれた、質の高い教育の実現」という使命を体現する証しとして位置づけられている。
フィリピンは、2026年版「QSアジア大学ランキング」で過去最高の成績を収め、計35大学がランク入りを果たした。
フィリピン大学(UP)は、昨年より18ランク下げながらも104位で国内トップの座を維持。アテネオ・デ・マニラ大学は、わずかに順位を上げて141位、デ・ラ・サール大学が178位で続いた。サント・トマス大学(UST)は1,530校の中で184位となり、国内第4位の位置を保った。
このほか、アダムソン大学が464位で国内第5位、サン・カルロス大学が507位、マプア大学が544位に入った。フィリピン工科大学とシリマン大学はそれぞれ671位と694位にランクイン。
そして、ミンダナオ州立大学イリガン工科校(MSU-IIT)が731~740位に入り、国内トップ10大学の一角を締めくくった。
今年は、マニラ首都圏以外の地方大学、特にミンダナオ地方の大学の躍進も目立った。
アテネオ・デ・ダバオ大学が851~900位に入り、セントラル・ミンダナオ大学とミンダナオ州立大学が1001~1100位にランクイン。
さらに、カラガ州立大学、フィリピン南部科学技術大学、南ミンダナオ大学、西ミンダナオ州立大学も名を連ね、フィリピン南部の教育機関が国際的に認知を高めていることを示した。
2026年版「QSアジア大学ランキング」の首位は香港大学で、続いて中国の北京大学が2位。シンガポールの南洋理工大学(NTU)とシンガポール国立大学(NUS)は同率で3位となった。
QSは、学術的評価や雇用者からの評価、研究生産性、国際共同研究、外国人教員・留学生の比率など11の指標に基づいて大学を評価している。
2009年に創設されたアジア大学ランキングは、研究への影響力や国境を越えた学術的連携など、地域における重点分野に焦点を当てて評価を行っている。
UMは、QSアジア大学ランキングへのランクインが、大学の長期戦略の一環として国際化を強化するものであると述べており、認定プログラムや研究活動の拡充を通じて、今後数年間でさらにグローバルな評価の向上を目指している。
UMのランクインは、ダバオ市を国際的な学術地図に確固たる位置づけにしたといえ、大学関係者は、優れた高等教育が首都圏に限らずミンダナオ地方でも着実に発展している証しだと強調している。







