フィリピン統合法曹協会(以下IBP:Integrated Bar of the Philippines)ダバオ市支部は、ロドリゴ・ドゥテルテ元大統領に最近授与された「ゴールデン・ピラー・オブ・ロー賞(Golden Pillar of Law Award)」が、政治的な意味合いを持たず、IBP全国本部の客観的な基準に基づく非政治的な表彰であることを明確にした。
IBPが、2025年10月8日に発表した声明によると、この賞は政治的信条や支持を問うものではなく、専門職としての長年の勤続と良好な資格維持を称えるものである。
この賞の授与は、2025年8月20日付のIBP全国会長であるアトニー・アラン・G・パノロン氏による覚書に基づき、法曹界で50年以上勤務し、IBPにおいて良好な資格を保つ弁護士に全国的に授与されている。
実績に基づく授与
IBPは、ゴールデン・ピラー・オブ・ロー賞が、全国すべての支部で授与されており、著名人に限られたものではないと述べている。ダバオ市でも2025年の法律月間祝典にて、ドゥテルテ氏を含む27人の弁護士が、長年にわたる法と正義への貢献を称えて表彰された。
この賞は、民間、政府、司法、または学界で50年以上の法律実務経験を有するIBP会員を対象とし、会員資格が有効で、懲戒処分の記録がなく、倫理に反する犯罪で有罪判決を受けていないことが条件である。
IBPダバオ支部は、「これらの明確かつ客観的な基準に照らし、元大統領のロドリゴ・ドゥテルテ氏は、全国の他の受賞者と同様に、すべての要件を満たしている」としている。
批判に対する対応
IBPダバオ支部は、ドゥテルテ氏の表彰をめぐる法曹界の一部からの批判や議論を受け、声明を発表した。同支部は、司法制度は無罪推定の原則と証拠に基づく判断に立脚しており、印象や政治的偏見で左右されるものではないと会員に改めて伝えた。
「当支部では、法曹界の一部から表彰に対する個人的な感情表明があったことを認識しているが、私たち弁護士は偏見を乗り越える義務があることを忘れてはならない」と述べ、「判断は証拠と最終的な有罪判決に基づくべきであり、単なる印象ではいけない。すべての人は有罪が確定するまでは無罪と推定される。また、本賞は政治的行為や個人的思想の支持を意味するものではなく、むしろIBPの規約に基づき、区別なく適用される専門職としての長期的な功績と地位の認定である」と改めて強調した。
ドゥテルテ氏の50年にわたる法曹人生
サン・ベダ大学の法学部を卒業し、1972年に司法試験に合格したドゥテルテ氏は、1977年にダバオ市検察局の特別顧問として法曹の道を歩み始め、1986年まで助手検事を務めた。
元次官でダバオ市行政官のヘスス・メルチョール・クイタイン・シニア氏が、ドゥテルテ氏に代わり賞を受け取った。第一地区議員で弁護士のジェイ・メルチョール・クイタイン・ジュニア氏はFacebookの投稿で、この表彰はドゥテルテ氏の「揺るぎない献身とかけがえのない貢献」を讃え、正義・誠実さ・法の支配への尽力を評価すると述べている。
クイタイン・シニア氏自身も、その卓越した功績によりゴールデン・ピラー・オブ・ロー賞を受賞したうちの一人である。
ゴールデン・ピラー・オブ・ロー賞は、IBPの最高位の栄誉の一つであり、生涯にわたる貢献を通じて正義と法の支配を支えてきた法曹専門家を称えるものである。







