数か月に及んだフィリピン軍とISIL関連過激派組織との間の戦闘を生き抜いた、マラウィ市民の間でのメンタルヘルス問題が深刻になっていることが明らかになった。
例えば、子供たちましてや幼児までもがトラウマ(心的外傷)になっており、今でも飛行機を怖がり、飛行機の音を聞いただけで泣き出す子供もいるという。
マラウィの包囲で生き残ったマラウィ市民のために働いている、チト・ソガナブ司祭は、「子供たちは、何が起こったのか実際に自分たちの目で見ました」と述べた。爆弾が自分たちのすぐそばに落とされるまで、子供たちは飛行機が爆弾を落としている様を、排便をしているようだと笑っていたそうだ。
爆弾が落とされた跡には、地面に大きな穴が残されており、それは今となっては、子供たちにとっての飛行機の記憶として残っていると氏は話す。マラウィ市にはフィリピン空軍により、数百にも及ぶ場所に無誘導爆弾が落とされた。
十字砲火の中を逃げ回らなければならなかった人々もおり、マラウィの戦いが始まった最初の月にはすでに、市民たちはトラウマを訴え始めていた。「子供たちがトラウマになることは容易に想像できるでしょう」と氏は述べた。
フィリピン軍の爆発物・兵器チームは、現在でも、地面に爆弾が残されていないか調査中であるとのこと。
フィリピン心理学者協会のゲイル・イラガン代表によると、メンタルヘルスワーカーはマラウィの包囲により心的影響を受けた人々に心理社会的ケアを提供する準備はできているという。