
ダバオ市政府の関係者によると、ダバオ・バス・プロジェクトにおける公共用ジープニー(以下PUJ)運転手および事業者への研修と調整は、現在も継続している。
ダバオ市行政官代理であり、同プロジェクトのマネージャーを務めるトリスタン・ドワイト・ドミンゴ弁護士は、PUJ運転手および事業者を対象とした2日間の研修プログラムを準備していると述べた。また、要件の遵守を表明した者には、プロジェクト実施後に経済的支援や技能開発の機会が提供されることも明らかにした。
ドミンゴ氏は、2025年7月17日にダバオ市災害ラジオ(DCDCR)のインタビューで、「すでに金融リテラシー研修を実施し、プロジェクトを通じて得られるさまざまな機会について説明している」と語った。
さらに、研修プログラムを通じて、事業者や運転手が子どもたちの大学奨学金をはじめとする各種支援策について学ぶことができると説明。加えて、本人または家族がTESDAの訓練を受けてバス運転手や整備士になることも可能であり、その訓練費用は政府が補助する方針であると述べた。
この訓練は、PUJ運転手がバスプロジェクトを支える新たな労働力として移行できるよう支援することを目的としていると強調した。
また、バス運転手、車両整備士、そして車両管理システムに関わる事務職については、TESDA NC III認定の人材を採用する予定であることも明らかにした。
一方で、国の予算確保や、バスの車庫・ターミナル・停留所の用地所有者との調整に課題があることから、進捗が遅れていることも認めている。
なお、運輸省(以下DOTr)ダバオ事務所は、2025年1月28日、バスプロジェクトは8ヶ月の遅延があるものの、着実に前進していると発表した。資金はすでに確保されているが、一部の書類手続きは現在も進行中である。
DOTrプロジェクト評価担当官のリチャード・ビリャヌエバ氏も、このような複雑なプロジェクトにおいては、遅延が生じるのはやむを得ないと認めたうえで、ターミナルや車庫、バス停のための用地取得がいまだ完了していないことを明らかにした。
また、遅延の一因として、2019年に国家経済開発庁(以下NEDA)によるプロジェクト承認が遅れたことが挙げられる。NEDAはコロナ禍前に、計画の妥当性を再検証する必要があったという。
本プロジェクトは、ダバオ市内の主要地域とパナボ市を結ぶ、全長672キロメートル・29路線からなる広範なバスネットワークを特徴としている。これらの路線には、少なくとも1,105台のバスが導入され、1,000カ所以上のバス停が建設される予定である。
当初、このバスプロジェクトは2024年末に運行を開始し、2025年中に全面稼働する計画であった。