
ダバオ市農業局(以下CAgrO)は7月2日、有機農業に取り組む市内の農家に対して、小規模農家向けの既存の有機認証機関による認証取得を呼びかけた。
CAgrOのシニア農業技師であるジェアナ・M・アブレン氏は、地元メディア「マダヤウ・ダバオ(Madayaw Davao)」の取材に対し、今年、ダバオ市内で活動するダバオ有機農家・支援者協会(以下DOFAA:Davao Organic Farmers and Advocates Association)が、小規模有機農場およびその製品の認証権限を与えられたと述べた。
アブレン氏は、「ダバオ市には有機認証機関が設立されており、2025年2月から農業水産基準局(BAFS)より認証を受けています。認証の有効期限は2030年までです。これは、特に小規模な農地を持つ有機農家にとって大きなチャンスです。自らの農場を正式に認証できるようになったのです」と語った。
また、製品に「有機」と表示して認証を受けることは農家にとって大きなメリットであり、消費者に安心感を与えるとも述べた。
ダバオ市政府は、小規模農家向けの認証制度である「参加型保証システム(以下PGS:Participatory Guarantee System)」の導入を支援しており、DOFAAは現在、証券取引委員会(SEC)に法人として登録されているほか、市長の営業許可も取得している。
DOFAAは、ダバオ市タグボック地区のロス・アミーゴスに所在する。
アブレン氏によると、PGSは大規模農場を対象とする第三者認証機関のように全国的に機能するものではないが、5ヘクタール以下の小規模農地を対象とする農家を認証する権限を持つ。これは「小規模農家」に分類されるものであり、その規定はロドリゴ・ドゥテルテ元大統領が署名した「有機農業法(共和国法第11511号)」に明記されている。
新法により、小規模農家はPGSを通じて農場の認証を受ける機会が得られるようになった。従来は第三者による独立した認証しか認められておらず、認証には多額の費用が必要だったという。
PGSでの認証を受けるには、市農業局および所属バランガイ(行政区)による確認を受けた上で、ピアレビュー(相互評価)方式で運営されるPGSダバオグループの会員になる必要がある。
アブレン氏は、ダバオのPGSは地域限定の認証であり、全国規模で展開される第三者認証とは異なるが、PGS認証を受けた製品はフィリピン国内の他地域でも販売可能だと述べた。
また、PGSには、フィリピン国立有機農業基準(Philippine National Standards on Organic Agriculture)に準拠した独自の認証基準が設けられている。
「農場が有機基準を満たし、認証されると、製品ラベルに貼付できる公式の『Certified Organic(有機認証済み)』シールが発行されます」とアブレン氏は述べた。
有機認証ラベルは消費者に安心を与えるとしつつ、認証には処理手数料や許可証取得費、事務所の維持費、検査員やピアレビュアーの費用などがかかるが、それでも第三者認証に比べれば手ごろなコストであると説明した。
アブレン氏は、ダバオ市の有機農家に対する支援を継続しており、毎週木曜日にリサール公園で有機製品を販売している農家についても、将来的に認証を取得できるよう目指していると述べた。
現在は、農家が製品を展示・販売しやすくなるよう、毎週木曜と金曜に無料送迎サービスを提供しているという。