農業を営むダバオ地方の若者3名は、近代的かつ革新的な農業手法を導入することで、コミュニティにおいて改革者になりたいと考えている。15日、ルソン島ラオアグ市にて農業省主催で行われた「若手農家チャレンジプログラム」でビリヤモール氏とサルバドール氏が優勝した。彼らは、土着の人々が栄養の乏しい土地を生産性が高く実り豊かな土地にするのを助けるため、「Grace Hills Vineyard and Vegetable Farm」を設立した。
一方ダバオデオロ州では、本品評会の国家資格を有するバリコ氏が、カカオ農家が世界で戦えるよう「タブレヤ・スプレッド」というチョコレートスプレッドを開発した。彼らは刷新的な農業手法と農作物を売り込むための手法を導入した。ビリヤモール氏とサルバドール氏の事業は、ダバオデオロのダトゥダバオ地区に位置するブドウと野菜の農園である。サルバドール氏は「私たちの事業を継続する活力は、私たちの持つ人々への情熱です。当該地域は、まだまだ耕されていない土地も多く、物価もとても高いです」と語る。
当ブドウ農園では、利益を求めてブドウが作られているが、ワインやジュースといった製品はまだ試作段階であるという。昨今、当事業の恩恵を授かるのはマティグサログやマノボといった先住民たちだ。同氏は「私たちは、土着の人々のコミュニティーを手助けしたいです。彼らは農業の知識やスキルがないので、未だ耕されていない土地を沢山持っています」と付け加えた。事業の主な目的は、彼らに農業の訓練を提供し食糧生産を促進できるようにするためのデモ農園に発展させることであるという。
一方で、バリコ氏はダバオデオロのカカオ農家に触発され、彼らが付加価値のある商品を生産したり、余剰生産したカカオが無駄にならないよう手伝っている。同氏は「タブレヤ・スプレッドは私たち独自の『ヌテラ(フィリピンで人気のチョコレートスプレッド)』のようなものです。人工保存料が入っていないスプレッドで、パンなどに広げて食べます」とコメント。農家の数が減少傾向にあるフィリピンにて、彼らは若い世代が再び農業に従事するようになるための期待の星である。
サルバドール氏は「私たちは品評会だけにとどまらず、フィリピンの人々が十分な食糧を確保できるよう努めています。私たちは農家たちのコミュニティーを作ることで、若者たちの情熱に火をつけたい」と熱い意気込みを語った。バリコ氏もまた、農家がいなくなる未来を憂いて、フィリピンにて蔓延する農家は貧しく無教養で未熟であるという固定概念を払拭したいと自身の思いを共有した。
近年、農業従事者はフィリピンだけにとどまらず世界的にも減少傾向にある。私たちもフェアトレードの商品を買うなどして、農家が持続可能的であるよう応援していきたい。