
サラ・ドゥテルテ副大統領は、ロドリゴ・ドゥテルテ元大統領の弁護団が仮釈放をめぐってオーストラリア政府と接触したとの報道を否定した。
「ドゥテルテ元大統領が、オーストラリアに仮釈放を申請したという事実はありません」と、2025年6月27日、ダバオ市議会での記者会見で述べた。
ドゥテルテ元大統領の弁護団が仮釈放を申請したのは2か国のみであり、その国名は関連文書に明記されているが、オーストラリアは含まれていなかったと説明した。
サラ・ドゥテルテ氏は、外務貿易省の関係者からドゥテルテ元大統領の仮釈放に関するメールが届いた件について、その理由は分からないと述べた。また、オーストラリア政府に対して仮釈放の申請も申請する意思もなかったことを強調した。
さらに、ドゥテルテ元大統領の弁護団とオーストラリア政府の間で仮釈放申請に関する協議は一切行われていないため、そのメールを送った人物の根拠についても分からないと付け加えた。
また送信先は不明ながらもそのメールのコピーを入手していると述べた。電話番号の国番号が「+61」で始まっていたことから、メールはオーストラリアから送信された可能性が高いとみられている。また、メールに記載されていたウェブサイトのアドレスは「dfat.gov.ad」だった。
サラ・ドゥテルテ氏が読み上げた文書の一部には、次のような内容が含まれていた。
「オーストラリア政府は、ロドリゴ・ドゥテルテ前フィリピン大統領が第三国に対して仮釈放を申請していることを把握している。オーストラリアは、仮釈放が認められた場合であっても、同氏の受け入れに同意しておらず、その検討も行っていない。」
なお、ドゥテルテ元大統領の弁護団が検討していた受け入れ候補国のリストにはオーストラリアも含まれていたが、弁護団はそのリストに記載されたいずれの国にも正式な申請は行っていないと明言している。
また、リストに記載された国々に対して実際に申請が行われたと推測するのは誤りであり、自身がオーストラリアを訪問した際にも、政府関係者とは一切接触や会話をしていないことを明らかにした。
ドゥテルテ元大統領の弁護士であるニコラス・カウフマン氏は、ドゥテルテ氏が高齢であり、逃亡の恐れもないことを理由に、一時的な釈放を求めて受け入れの可能性がある国々に申請を行っていると述べた。