【News】ダバオのアナリスト、国際刑事裁判所のドゥテルテ氏逮捕状を警戒

ロドリゴ・ドゥテルテパネル

ダバオ・ミンダナオ大学(以下UM-Main)の政治学者であるリンジー・エスピノ氏は、国際刑事裁判所(以下ICC)が発行した元大統領ロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏に対する逮捕状について、法的および憲法上の原則に基づくものというより、政治的な動機が背景にある可能性があると指摘した。

また、逮捕状の執行において、秘密保持と透明性のバランスが重要であると指摘。ICCおよび国内の法執行機関の標準的な手続きとしてこれらは確立されているが、ドゥテルテ氏の場合、フィリピン政府とICC(およびインターポール)による政治的駆け引きが無視できない要素になっていると述べた。

さらに、ドゥテルテ氏の高い人気を考慮すると、世論の反応が今後の展開に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘。政府の対応次第では、大規模な抗議運動が起こる可能性もあるという。

「現在の最大の焦点は、政府が元大統領の逮捕に対して大衆運動が発生した場合、どのように対応するかです」と同氏は述べた。

一方、ダバオ市のセバスチャン・“バステ”・ドゥテルテ市長がSNSに投稿した意味深なメッセージについて、エスピノ氏は、ICCの逮捕状に対する懐疑的な見方を示唆するものかもしれないと指摘。さらに、ダバオ国際空港やニノイ・アキノ国際空港(NAIA)での警戒態勢の強化にも言及していると述べた。

同教授は、ドゥテルテ陣営がフェルディナンド・”ボンボン”・マルコス・ジュニア大統領の政権に対抗するような動きを見せた場合、マルコス家とドゥテルテ家の緊張関係がさらに悪化し、政治的な対立が激化する可能性があると警告した。

2025年3月に80歳を迎えたドゥテルテ氏は、「麻薬戦争」をめぐるICCの逮捕状に基づき、フィリピン当局に拘束された。人権団体によると、麻薬取り締まりの過程で数千人の市民(主に都市部の貧困層男性)が殺害され、その多くは路上処刑されたと主張されている。

ICC発行の逮捕状はリチャード・アンソニー・ファドゥロン検察総長が執行し、フィリピン国家警察(PNP)が警備を担当した。逮捕時には、刑事捜査・探知グループのニコラス・トーレ3世警察准将がドゥテルテ氏にミランダ警告(黙秘権などの権利を伝える手続き)を読み上げた。

ICCの正式な手続きによれば、逮捕された容疑者はまず拘束国の司法機関に引き渡され、逮捕状の正当性が確認され、被拘束者の権利が守られることが保証される。その後、移送命令が出されれば、オランダ・ハーグのICC拘置所に収容されることになる。この施設は国際人権基準に基づいて運営されている。今後の動向に注目だ。

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