
ダバオ市副市長のセバスチャン・バステ・ドゥテルテ氏は、2025年6月27日午後、市議会にて就任宣誓を行い、ダバオ市の学生のために教育分野へ多額の予算を投入することを誓った。
就任式には、副大統領である妹のサラ氏、母のエリザベス・ジマーマン氏、パートナーのケイト・ネセサリオ氏、そして甥のオマール氏とリゴ氏が同席した。
宣誓はジル・ローズ・ジャウガン・ロ控訴裁判所判事が執り行った。
ドゥテルテ氏は演説の中で、前回の国家・地方選挙において政権側の組織的な力と対峙しながらも、ダバオ市が勝利を収めたと述べた。
「勝利したのは財政力ではなく信念である。我々を分断しようとした者たちはことごとく敗北し、我々は彼らを打ち砕いた。この圧倒的な勝利はダバオ市にとどまらず、ビサヤ地方およびルソン島の主要都市にも波及した。この栄光に我々は永遠に感謝している」と語った。
また自身を支援したバランガイ(行政区)の役人、安全・治安部門、市政府職員、そしてすべてのダバオ市民に深い感謝の意を表した。
さらにドゥテルテ氏は、第21回ダバオ市議会の開会にあたり、保健、治安、住宅政策、食料安全保障、デジタル化を重点分野とする立法を推進していく方針を示した。また、低所得世帯の勤勉な学生を対象とした奨学金制度の拡充や、教室および学習施設の整備を通じて教育分野に多額の予算を投じる考えを明らかにし、子どもたちの未来のために教育への投資が不可欠であると強調した。
また第1区から選出された市議会議員のJ・メルチョール・キタン・ジュニア氏、ルナ・アコスタ氏、クッキー・ボンギュアン氏、ボンズ・ミリタール氏、ラグデ・ニーニョ・イルブヤン氏、テムジン・テック・オカンポ氏、パメラ・パメン・リブラド氏が就任宣誓を行い、マリオ・ドゥアベス判事がこれを執り行った。
第2区では、ディオスダド・マヒプス氏、ラルフ・アベラ氏、ルイ・ジョン・ボンギュアン氏、チェチェ・ジュストル=バギロッド氏、アル・ライアン・アレハンドレ氏、ダニー・ダヤンギラン氏、ノノン・カブリング氏、ドセ・アポストル氏が宣誓を行い、こちらもマリオ・ドゥアベス判事が執り行った。
第3区では、アルベルト・ウンガブ氏、エンゾ・ビラフエルテ氏、スウィート・アドビンクラ氏、プティ・プリンシペ=カストロデス氏、レイチェル・ゾゾブラド氏、ポトポト・ビラフエルテ氏、ジョペット・バルラン氏、マーナ・ダロド=オルティス氏が就任宣誓を行い、マリー・エストレリータ・トレンティーノ判事がこれを執り行った。
また、第3区選出の下院議員イシドロ・ウンガブ氏も同様に就任宣誓を行った。
就任宣誓の席上、ウンガブ氏は、ダバオ市第3区の代表として復帰を果たせたのは市民の信頼と支持の賜物であり、深く感謝していると述べた。
今回が代表としての3期目にして最終任期となるが、「市民への奉仕、そして第3区の発展の継続。これこそが常に私の指針であった」と力強く述べた。
一方、ロドリゴ・ドゥテルテ元大統領は、本来であれば市議会でダバオ市長としての就任宣誓を行う予定であったが、人道に対する罪の容疑によりオランダ・ハーグで拘束されているため、この日には宣誓が行われなかった。
2025年5月15日には、内務自治省(DILG)ダバオ市支局のヴィッキー・サルセナ支局長は、ロドリゴ・ドゥテルテ元大統領が依然拘束中であるため、セバスチャン・ドゥテルテ氏が代行市長を務めると発表していた。また、市議会では最上位の得票を得た市議が代行副市長を務めるとしている。
上院議員チズ・エスクデロ氏は全国メディアの取材に対し、ロドリゴ・ドゥテルテ元大統領はオランダ国内のフィリピン領事館で就任宣誓を行うことが可能であり、領事官が拘束施設を訪れて宣誓を執り行う選択肢もあると述べた。
しかし、最近のインタビューでサラ・ドゥテルテ副大統領は、父の就任宣誓については本人と弁護士が協議する事項であり、自身は関与していないと明かした。
ロドリゴ・ドゥテルテ元大統領には、2025年6月30日正午までに宣誓を行う期限が設けられており、それが叶わない場合は、セバスチャン・ドゥテルテ氏が正式に市長の職を引き継ぐという。
なお、2025年5月13日に行われた地方選挙では、ドゥテルテ一家の5名がそれぞれ立候補した地元のポストで当選を果たしている。