
フィリピン公共事業道路省ダバオ地方(以下DPWH-Davao)は、ダバオ市バイパス建設プロジェクト(以下DCBCP)が、2028年までに全面開通し、運用開始される見込みであると発表した。
プロジェクトマネージャーのホセリート・レイエス技師は、「各工区の工期は基本的に3年であるが、開始時期が異なるため、全体の完成は2028年ごろになると予想している」と説明した。
建設チームは現在、2020年12月21日に着工されたパッケージI-1の完成に近づいている。パッケージI-2は2024年12月10日、パッケージI-3は2023年12月18日にそれぞれ着工された。
また、パッケージII-1は2023年1月24日、パッケージII-2は同年8月10日に着工されている。一方、パッケージII-3は現在、土木工事の調達手続きが進行中である。
本プロジェクトの資金は、国際的および国内の両資金源によって賄われている。
国際協力機構(JICA)はパッケージI-1からI-3までを融資契約により資金提供しており、一方、パッケージII-1からII-3まではフィリピン政府が資金を拠出している。
本プロジェクトの主要な特徴の一つは、パッケージI-1に含まれる二連式の山岳トンネルである。2025年5月31日時点で、この区間の建設進捗率は約60%に達している。当初の完成目標は2024年1月であったが、現在は2026年5月30日に変更されている。
パッケージI-1には、4車線道路、橋梁、排水用のボックスカルバート、平面交差点、アンダーパス、オーバーパス、そして2本のトンネルが含まれている。北行きトンネルの掘削は2025年3月に完了しており、現在は舗装および仕上げ工事が進められている。
一方、南行きトンネルはまだ117メートルの掘削が残っており、両端は今年の7月か8月までに接続される見込みである。これらのトンネルは、2026年末から2027年初頭にかけて運用開始される予定である。
レイエス氏によると、プロジェクトに必要な土地の大部分はすでに取得済みであり、トンネル区間の用地権利は99%が確保されている。しかし、南行きトンネルの最後の約100メートル付近で小規模な崩落が発生し、その影響で工期に一部遅延が生じたという。
安全面、特に地震対策については、清水建設のプロジェクトディレクターである水戸明良技師が、トンネルは地震を考慮して設計されていると保証している。山の内部に位置しているため、表層の地震活動の影響を受けにくく、均一に動くと予想されている。また、設計段階で活断層の存在を避けるためにトンネルルートが慎重に調査されたことも、水戸氏が確認している。
完成すると、ダバオ市トリル地区のシラワン・バランガイからパナボ市J.P.ローレル・バランガイまで、DCBCPは全長45.5キロメートルに及ぶ。このルートの所要時間は、現在マハルリカ・ハイウェイ経由で約1時間11分かかっているところを、約49分に短縮される見込みである。
バイパス道路は自家用車の利用が可能だが、フィリピン公共事業道路局(DPWH)は、バスやトラック等の公共交通車両の通行を許可するかどうか、まだ決定していない。
運用開始後は、国内最長となる全長2.3キロメートルの山岳道路トンネルがそれぞれ2本設けられる予定である。