
パナボ市の先住民族代表(以下IPMR)であるメルリンダ・B・アラナー市議は、特権演説の中で政治アナリストである、ヘイダリアン氏の発言を強く非難した。ヘイダリアン氏はミンダナオを「国で最も貧しい地域の一つ」と述べ、ミンダナオがルソン島に大きく劣っていると発言したのだ。
アラナー市議は、「彼の発言は、ミンダナオを危険で最も貧しい場所として描く有害なステレオタイプを助長している。私たちミンダナオの人々の持つ回復力、ホスピタリティ、豊かな伝統といったポジティブな側面を無視して、そうした偏見を広めた」と述べた。
アラナー氏は、この発言がミンダナオの人々だけでなく、フィリピン人全体のアイデンティティをも傷つけるものであると強調している。これによって、アラナー氏の演説の後、パナボ市議会は2025年3月25日付で決議第155号を可決し、ヘイダリアン氏を正式にペルソナ・ノン・グラータ(特定の場所において、特にその行動が共同体や政府にとって容認できないと見なされたために歓迎されない人物)と宣言した。この決議は、ヘイダリアン氏の意見を封じることを意図したものではなく、ミンダナオに対するより正確で敬意ある理解を求めるためのものであると明言されている。
3月には、イリガン市(14日)、イサベラ市(15日)、コタバト市、ミサミス・オリエンタル州のエルサルバドル市、ブキドノン州のバレンシア市などでも同様の決議が可決されている。
これに対して、ヘイダリアン氏は、ルソンの都市と比べてミンダナオの一部の地域ではHDIスコアが低いことを指摘しただけで、侮辱する意図はなかったと謝罪している。謝罪はしたものの、彼が再び平和にミンダナオに訪れることは難しいだろう。発言には気を付けなければならない。