【News】ミンダナオ島マギンダナオデルノルテ州で2人の政治家が州知事を名乗り、政界の分断顕著に

フィリピン国旗

2022年、バンサモロ自治地区(BARMM)に位置するマギンダナオ州は、住民投票によって南北に分割された。そして今回、北部のマギンダナオデルノルテの州知事になることを宣言した人物が2人出てきたことで、マギンダナオ政界の有力者間の亀裂がより深まっている。

1人目は、昨年10月の分割以降、知事の座についていたバイ・ファティマ・アイニー・シンスアット氏。マギンダナオの有力な政治家一族出身で、マギンダナオデルノルテ州の州都の市長を務める夫がいる。シンスアット氏は2022年、分割以前のマギンダナオ州の副知事に立候補して当選し、初めて政界入りを果たしていた。

そして2人目は、今月5日にフェルディナンド・マルコス大統領に知事として任命された、アブドゥルラオフ・マカクア氏。モロ・イスラム解放戦線(MILF)の軍事部門の長であり、2014年に政府と交わした和平協定に基づいて退役を進めている。今回の任命以前は、バンサモロ自治地区の上級大臣を務めていた。

シンスアット氏は20日の声明で、「我々の従業員やマギンダナオデルノルテの人々の混乱を避けるため、この公式声明を出すことにした」と述べている。

一方のマカクア氏は、指名後の短期間の間に、州内の他の政治家に接触する時間を取ったという。マギンダナオの各政治家一族を引き合いに出し、繋がりを強調した。しかしシンスアット氏の一族については言及を避けた。

ところが、分割以前のマギンダナオ州の知事を務め、現在はマギンダナオデルスル州の知事代行でもあるバイ・マリアム・マンガダトゥ氏は、マカクア氏の就任に反対している。また同氏は自身のポジションについても異議を唱えており、マルコス大統領にこの件についての決定を再考するよう求めている。

マギンダナオを2つに分割することを定めた共和国法第11550号は、この法律が批准された後に誰を新たな州の知事とするのかについて明言していなかった。しかしバンサモロ自治地域のナギブ・シナリンボ内相は、シンスアット氏の就任を認めない考えを示している。

マカクア氏は政権移行を迅速に進めるため、大統領推薦の州議会議員や、州理事会の構成を急いでいるという。シナリンボ内相によると、州理事会のメンバーを任命する権限を持つのは大統領だけである。

2人の州知事をめぐってマギンダナオの分断が顕著になってきている。マギンダナオでは石油資源も採れ、エネルギー事業への影響も考えられる。最近はハラール産業でバンサモロ投資委員会の投資先に認定された企業もここに本拠地を置く。この分断がどこまで影響を及ぼすのか、注意深く観察したい。

【News】ミンダナオ島の石油資源、給油施設の設置に着目

【News】バンサモロ投資委員会、自治区の経済活性化のために2事業を新たな投資先に認定

 

ニュース記事をもっと見る

Hello world tours

ビザ・レンタカー・通訳・翻訳なら | ダバオの日系旅行会社