【News】有害物質監視団体、ホワイトニングクリームから有毒な水銀を検出

有害物質監視団体EcoWaste Coalitionは、脇の美白を目的とした製品に、化粧品での使用が禁止されている危険な化学物質「水銀」が含まれていることを明らかにした。

同団体が実施した化学スクリーニングによると、脇の美白を目的とした製品「Pumepine Total White Underarm Cream」には2,248ppmの水銀が含まれており、ASEAN化粧品指令で定められた重金属汚染物質としての水銀の最大許容量である1ppmを大幅に超えている。 EcoWaste Coalitionがこれまでに調査で水銀汚染を確認したアンダーアーム美白クリームには、88 Total White Underarm Cream、Snow White Armpit Whitening Underarm Cream、Q-nic Care Underarm Whitening Creamなども含まれているという。

「オンラインで違法に販売されている水銀混入のアンダーアーム美白クリームがまた発見され、非常に驚いています」と、EcoWaste Coalitionの全国コーディネーターであるアイリーン・ルセロ氏は述べた。そして、税関、保健、貿易規制当局は、電子商取引やソーシャルメディアプラットフォームの管理者と連携し、このような水銀を含む不正商品が市場に流通し、国民を害するのを防ぐための取り組みを強化すべきであると主張した。

同団体はこの商品をオンラインで381ペソで購入したが、この商品はフィリピン食品医薬品局（FDA）の市場承認は得ていなかった。商品のラベルには英語とタイ語で「体臭を減少させ、美白効果と滑らかな肌トーンを提供します」と記載されていた。さらに必要な市場承認がないにもかかわらず、この製品は誤って「FDA承認済み」や「GMP認証済み」（GMPは「適正製造基準」を指す）と表示されていた。

世界保健機関（WHO）によると、スキンライトニング製品に含まれる無機水銀への暴露は、腎臓損傷、皮膚の発疹、変色や瘢痕、細菌や真菌感染症に対する皮膚の抵抗力低下を引き起こす可能性がある。また、不安、うつ病、精神病、末梢神経障害などの精神的および神経的影響も及ぼす可能性があるという。

昨年8月、同団体はFDA局長のサミュエル・ザカテ氏に書簡を送り、倫理的で違法な水銀化粧品の取引を根絶するため、全社会的なアプローチに向けた合意を目指すマルチステークホルダーサミットの開催を提案した。オンラインでは安価な化粧品が手に入りやすいが、リスクも考慮しなければならない。