セーブ・ザ・チルドレン・フィリピンは、バンサモロ自治地域の学習者への支援強化を呼びかけている。バンサモロ自治地域では、現在貧困や早期結婚、強制結婚によって多くの子供達が学習を継続出来ない状況にある。セーブ・ザ・チルドレン・フィリピンのパートナー校の教師、ヌルイン・アブドゥラジャン氏は、この地域ではほとんどの親が子どもを学校に通わせる為のお金を用意できない為、彼の生徒の多くが家計を助ける為に退学したり授業を休んだりしていると語った。
これらの理由により、フィリピン統計局のデータによると2023年9月の時点で、学校に通っていない子どもの数がフィリピンの中で最も多い地域はバンサモロ自治地域である。
学費による問題に加えて、バンサモロ自治地域では早期結婚や強制結婚も多い。 セーブ・ザ・チルドレンが実施した親や教師との話し合いによると、多くの少女が経済状況を緩和するために結婚させられているという。家族間の争い(「リド」と呼ばれる)や地域の武力紛争によって多くの子供達が就学の機会を逃しているのだ。「こうしたことが原因で、多くの生徒が学校に行く意欲を失い、代わりに収入を得る手段を探している。」とアブドゥラジャン氏は語った。
セーブ・ザ・チルドレンはどんなバックグラウンドであっても、全ての子供に学ぶ権利があると強調しており、プログラムSiNDAO 2において、バンサモロ自治地域のスールー州のパートナー校を支援している。子ども達は学習教材やリュックサックや文房具の支給、また、それぞれに合った学習指導を提供されており、現在これらの学習者は100%定着している。
これまでEU人道援助資金によるプロジェクトによってラナオデルスル州、マギンダナオ州、スールー州、バシラン州で8,000人以上の紛争被災児童が大きな影響を受けている。セーブ・ザ・チルドレン・フィリピンのバンサモロ自治地域の責任者マイキエル・パッチョ氏は子ども達が直面している数々の問題を克服していく為には、出来る限り多くの支援を必要とすると語った。
バンサモロ自治地域以外の地域でも様々な理由で就学が困難な子ども達は少なくない。彼らが十分な支援を受け、楽しく学習できる未来を願うばかりだ。
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