ダバオ市は2021年のうちに集団免疫獲得に向けてかなりの数の市民がワクチン接種をおこなったが、2022年の初めに新たな感染爆発が起こるのではないかと危惧しているところだ。これにはオミクロン株への懸念や、年末年始の人出が要因として挙げられている。
12月27日、ダバオ市災害ラジオに出演したダバオ市長のサラ・ドゥテルテ=カルピオ氏は、新型コロナウイルスへの懸念をあらわにした。そして、「来年感染拡大が発生するのではないかと、関係者に尋ねました。回答は「感染拡大は起こりうる」というものでした。はっきり分からないのは、その規模が大きくなるのか、ひどいものとなるのか、つまり感染拡大により何名亡くなってしまうのかということです」と語った。
また、クリスマスや新年のイベントが、去年と同じように感染経路になりうるとも述べ、最近発見された変異株オミクロンもまた、ダバオ市であらたな感染拡大を引き起こす可能性がかなり高いと述べた。さらに、新型コロナウイルスワクチンの効果が落ちてきていることも、感染拡大につながる危険性があるとも指摘した。
これらの要因から、このようなシナリオをサラ市長は想定した。「感染拡大の危険はまだあります。それが無症状でも症状が弱くても、ワクチンを打っていない人や、体が弱い人にかかってしまうと、重症化してしまうかもしれません」。そのため、市民のほとんどがワクチンを打ち終わったとしても、油断しないよう市民に呼び掛けた。
集団免疫獲得を目指してワクチン接種を積極的におこなってきたダバオ市は、12月27日時点で1回目の接種を112万5,984名(集団免疫獲得の目標人数のうち94.31%)、2回目の接種を111万1,102名(85.48%)が終えている。2021年までに集団免疫獲得とはいかなかったが、かなりの市民がワクチン接種を終えたことは事実だ。
年末年始で人出が多くなる時期に入る。そこでも油断せず、感染対策に努めていきたい。