新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きを見せているダバオ市では、陽性率もおよそ0.4%となっている。そのような中、子どもへのワクチン接種はまだ実現しておらず、子どもへの今後のウイルス感染が危惧されている。そして、Covid-19タスクフォース・ダバオは、2021年の子どもの感染についてデータを公表したのだった。
同タスクフォースのMichelle Schlosser医師によると、2021年7~9月に新型コロナウイルスに感染した17歳以下の子どもの数は3,379名であったという。12月8日、ダバオ市災害ラジオに出演した同医師は、そのうち1,756名は0~10歳の子どもで、1,623名は11~17歳の子どもであったと明らかにした。2021年3~5月のデータと比較した時(0~10歳:206名、11~17歳:194名)、大きな開きがあることが分かる。同医師は、「この年代(0~11歳)の子どもは、ワクチンの免疫機能をもっていません。ですから、子どもにとってリスクの高い地区や施設に連れて行くのは、よく考えるべきです」と語った。
先述のとおり、ダバオ市の新型コロナウイルス感染状況はかなり落ち着いており、陽性率もわずか0.4%ほどとなっている。また、Schlosser医師によると、11月8日~12月4日のおよそ1か月にわたって新型コロナウイルスに感染した人は全員ワクチンを打っておらず、症状も軽いという。このことから、「このデータから見ても、ワクチンを打っていない人は感染しやすくなっています。症状が軽い人もいますが、その人たちにはウイルスを拡散させ、他の人に感染させうるリスクがあることを心得ておかなければなりません」と警鐘を鳴らした。
12月8日水曜日時点で、ワクチン接種を2回終えた人は1,009,921名となり、1回目を終えた人も加えるとその数は1,171,050名にもなっている。12月15~17日にはフィリピン国内でワクチン接種の日が設けられることからも、同医師は、2021年末までには目標の人数までワクチン接種を進めたいと語った。
順調にワクチン接種が進行している。同時に、まだワクチン接種が実現していない子どもたちにもワクチン接種がおこなわれれば、ウイルスの拡大はさらに抑えることができそうだ。現在おこなわれているパイロットテストが成功した暁には、全国で対面授業も再開となる。子どもたちへのワクチン接種も求められている状況のようだ。