新型コロナウイルス(Covid-19)の感染状況が落ち着いていたダバオ市だが、5月に入ってから状況が変わってきているようだ。サラ・ドゥテルテ=カルピオ市長は、Covid-19の急拡大は「感染拡大の警告」だと述べ、危機感をあらわにした。
5月10日、ダバオ市の災害ラジオに出演したサラ市長は、感染拡大の兆候が見られるようだと語った。保健省ダバオ支部のデータによると、5月9日のダバオ市の感染者総数は513名であったという。この数値はこれまでの週の平均値350名と比べて高くなっている。また、ダバオ市の新規感染者数がダバオ地方内で最も多くなっており、1日あたり平均して60~70名の新規感染者が出ているというデータも出ている。これらのデータを踏まえた発言のようだ。
サラ市長によると、市内の企業や施設でCovid-19の感染爆発が起こっており、このことでダバオ市の数値が影響を受けているという。また、そのほとんどは公的機関であるが、ダバオ市役所の管轄ではないことも明らかにした。
ダバオ市では、感染対策としてさまざまな市長令を制定している。例えば、市長令18ではインフルエンザの患者同様にCovid-19患者を監視することを定めている。また、PCRテストの拡大や追跡調査をおこなうとも記載されている。また、市長令20では感染者のレベルをF1、F2、F3に分けており、F1から順に感染者との接触が濃くなっている。さらに、市長令22では、運送業者へPCRテストを無料でおこなうとの記載がある。それでも、感染拡大の傾向が再び数字に表れていることが懸念材料となっている。
最後にサラ市長は、隔離レベルについて言及した。サラ市長は、「ECQかMECQか、これは政府の判断になります。ECQもMECQも私たちは望んでいません。しかし、厳しい基本的な感染対策などを守り続けなければ、市内で感染爆発が起こってしまいます」と語り、ECQを敷かなければならないような状況にならないためにも、感染者数が減っていくことを願うと述べた。
感染拡大を抑えるためにも、あらためて基本的な感染対策を見直したいと思う。