フィリピンでは2022年に大統領選が控えており、国内では着々と準備が進んでいる。フィリピンでは大統領および副大統領の任期は6年となっており、大統領の再選は禁止されている。そして、国民による直接投票で決まることとなっている。この直接投票の準備が、新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大によって遅れているようだ。
ダバオ市選挙委員会(Comelec)は、市内の有権者登録を2021年8月31日まで延期すると発表した。これは、現在の厳格な隔離レベル(MECQ)に加え、市長令31によって行政の行事等が制限されていることに有権者登録が含まれるためだ。
これを受けて、Comelec所長補佐のGay Enumerables氏は、2022年の選挙に向けた登録を2021年9月30日までに終わらせなければならないと危機感をもっている。MECQの間はリモートワークに取り組んでいるが、ダバオ以外の地方では登録が現在もおこなわれているという。
この状況を踏まえ、Enumerables氏は、ダバオ地方でもCovid-19新規感染者が2週間出ていない地域については遠隔から登録できるようにする計画をしている。そこでCemelecでは有権者登録アプリを立ち上げ、まずは国内575の市町村でパイロットテストをおこなっているところだ。6月15日、ダバオ地方でもダバオデルノーテ州タグム(Tagum)市での運用が始まった。
このアプリは、必要な情報を打ち込み、完了するとQRコードが発行されるようになっている。その後、居住する場所のComelecのオフィスに行き、QRコードのスキャンと指紋認証の登録をおこなって完了となる。この方法なら登録のためにオフィスに長居する必要がなくなるので、非常に便利だ。
コロナ禍で身動きがなかなか取れない時期だが、それでも大統領選は必ずおこなわれる。決まった時期に選挙が確実におこなわれるよう、登録が無事に終わってほしい。