【特集】介護士派遣?失敗しない フィリピン現地送り出し機関の動きについて~後半~

ダバオ 日本

【Business】介護士開始派遣目前か?失敗しない フィリピン現地送り出し機関の動きについて~前半~に引き続き、フローチャートの詳細を説明していきます。

②リクルート(募集)から応募のプロセス(1日~数週間)

費用:手数料の部分(本稿末尾を参照)

承認印がついた発注書を受け取ったら、リクルートを開始できます。応募者はまず、(1)3年以上の期限があるパスポート、(2)直近の無犯罪証明書(3)警察証明書を提出します。

ここで必要なパスポート、無犯罪証明書、警察証明書は、応募者が応募のために用意するものですので、受け入れ機関に支払いの義務はありません。何らかの理由で受入機関側が肩代わりする場合は、送り出し機関が応募者、受入機関に二重請求をしていないかしっかり確認をする必要があります。

リクルートのプロセスは数週間と記載しましたが、これは人材派遣会社の能力によってもっとも変化する部分です。人材派遣会社は大量の応募者情報を持っており、常に過去の応募者と連絡を取り合っていますので、発注と同時に人材が見つかる場合もありますし、受入団体側の要件次第では時間がかかることもあります。

③健康診断(5日間)

こちらは応募者に負担させることができない費用です。
下記は一例ですが、費用と期間を記載します。

費用:10,000円~20,000円程度
・事前診断(2日間)
・全診断(3日間)

 

全診断はコストが高いため、まず事前診断で応募者を選別します。事前診断と全診断はコストが分離していますが、上記は合計金額です。事前診断に合格した応募者のみ、全診断を受診します。

※上記は健康診断を行う医療機関の1例ですので、実際の価格はまちまちですので、大体の目安としてください。

④雇用事前研修等(1日)

費用:(オリエンテーションは手数料、またPEOSの費用は前途述べた、1番に含めています)

このプロセスでは、(1)事前オリエンテーション、及び(2)PEOS登録が行われます。

(1)研修後、雇用前研修セミナー/PEOS(Pre-Employment Orientation Seminer)の証明書が海外雇用庁からオンライン経由で発行される仕組みになっています。

証明書は、応募者が各自オンラインで取得する場合もありますが、この辺は人材派遣会社によってまちまちです。派遣会社がアシストに入ってガイドしてやるほうが確実ではあるので、どのような仕組みを取っているか確認するといいかもしれません。

⑤契約書へのサインと公証(1日~数日)

費用:手数料の部分(本稿末尾を参照)

PEOSの証明書を取得すると、いよいよ契約書にサインします。この契約書には日本での雇用(研修)条件、雇用(研修)期間、発注側がカバーすべき費用などが記載されています。パスポートのコピーと署名が添付された状態で、公証人からの著名と得た状態が最終となります。署名はその場で終了しますが、公証人への提出から署名も含めて数日としています。

⑥保険に加入(1日)

費用:10,000円~30,000円程度

応募者が人材派遣会社が提携する保険会社の保険に加入するプロセスです。フィリピン側での保険加入はPOEA/海外雇用庁に義務付けられており、日本の保険とは無関係に必要となります。

こちらも提携先の動きによりますが、基本的には他のプロセスと同時進行で行うものなので日数はかかりません。費用は3年分で、保険会社や保険内容によって料金に大きな開きがあります。

⑦査証取得/ビザスタンプの押印(1~2週間)

費用:7,500円~10,000円程度

人材派遣会社が提携している旅行会社の管轄となります。旅行会社も全ての企業ができるわけではなく、ライセンスをもった特定の会社のみが対応しています。マニラには多く存在しますが地方都市では少数です。またこのプロセスでは下記が必要となります。

(1)雇用証明書
(2)上記の国家統計局証明
(3)証明写真
(4)パスポート
(5)ビザ申請フォーム

⑧出国前事前研修/Pre-departure Orientation Seminar:PDOS(1日)

費用:(ここでの費用は上記1番に含めています)

このプロセスでは日本についてからの動きや、文化の違い、雇用や社会保障、権利・義務など幅広いトピックについての研修が行われます。このセミナーが終了すると下記のような証明書が労働雇用省から発行されます

(※一般的な海外雇用のケースのサンプルです)このプロセスが終わると、応募者は宣誓書へサインを行います。

⑨POEAオンライン登録(1日)

費用:(ここでの費用は前途述べた1番に含めています)

このプロセスでは、海外雇用庁のオンライン登録フォームに研修生の情報が入力されます。
(下記はサンプルです)

⑩OEC/海外就労許可証明の取得(3日間)

費用:(ここでの費用は前途述べた1番に含めています)

海外就労管理局で許可証明を取得するプロセスです。同時にフィリピン政府の実施する「PAG-IBIG」と呼ばれる別の健康保険にも加入しなければなりません。PAG-IBIGの費用は1000円程度です。上記が終了すると、応募者はようやく出国することができます。

まとめ(期間と費用について)

上記のとおり、応募者がビザを受け取り出発するためには大きく分けて10のプロセスがあり、全行程は1~2ヶ月かかります。応募者の書類に不備があったり、個人で準備する書類が揃わない等、プロセスには障害がつきものですので、2ヶ月はかかるものだという認識でいたほうが賢明でしょう。また費用については冒頭でご説明した通り、安いところで7万円程度、高いところで13万円程度と大きく開きがあります。

最後に上記に上乗せされる手数料を紹介しておきます。

手数料:4万円~5万円程度

手数料単体では、今回調査したほとんどの送り出し実施機関が4、5万円という料金設定でした。ですからあとは、各項目が実費なのか、実費にさらに手数料が細かく上乗せされているのか、または他社に委託しているのかで、費用が代わってきます。またコストが高いからと言って一概にだめだとは言えません。集められる人材の質、派遣会社のサービスレベル、日本語デスクの有無、経験値など、結局は送り出し実施機関の総合力を見て判断する必要があります。

 

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