【News】ダバオ市の取り組み:ピンク・オクトーバーにおける乳がん早期発見と検診強化

ダバオ市役所

ダバオ市保健局(以下CHO)の報告によると、2024年に乳がんで死亡した人は197人に上り、そのうち男性が4人含まれていた。

CHOの女性の健康・医療コーディネーターであるシャーリーン・L・タン医師によると、2025年9月時点で既に161人の死亡が記録されており、その内訳は女性158人、男性3人であるという。

多くの症例が50歳以上の患者に見られる一方、20代前半で亡くなった患者もいたと報告した。

タン医師は、2025年10月23日、ダバオ市長室でのメディア取材で、「私たちは、乳がん検診と啓発活動を推進しています。40歳になったら、リスク要因の有無にかかわらず、すべての女性が年に一度のマンモグラフィー検査を受けるべきです」と述べた。

さらに、40歳以上の女性に対してマンモグラフィー検査の受診を呼びかけ、乳がんのリスクがあるかどうかを確認するよう勧めた。早期発見によって適切な治療が行われれば、生存率が大幅に向上すると強調した。

CHOは、乳がんと診断された人に対して、身体検査、専門医への紹介、カウンセリングを提供している。

男性の乳がんについて

タン医師は、乳がんは男性にも発症する可能性があるが、症例は稀であると指摘した。乳がんによる死亡の約1%は男性で、家族歴や年齢、生活習慣などが関係していることが多いという。

フィリピン外科医協会が発表した研究「Male Breast Cancer: The Philippine General Hospital Experience」によると、男性の乳がんは稀で、5,777件の切除乳がん標本のうち0.26%(15件)に過ぎないことが分かった。

同研究によると、フィリピン人男性はおよそ1,000人に1人の割合で、生涯のうちに乳がんと診断される可能性があるという。

検診の取り組み

CHOは、定期的に無料の乳がん検診を実施している。2024年には、同局で4,956人の女性が検診を受けており、市内の生殖年齢層の女性のおよそ10.2%に相当する。

2025年9月時点では、33,796人の女性(9.8%)がすでに検診を受けている。

タン医師によると、乳がんの一般的な症状には乳房のしこり、形や大きさ、色の変化、乳頭からの分泌物などがある。しかし、すべてのしこりが癌であるわけではないため、定期的な検診の重要性を強調した。

ダバオ地方の取り組みと全国データ

ダバオ地方では、乳がんは依然として女性の主要な死亡原因の一つである。啓発活動と検診プログラムを強化するため、ダバオ市政府は、2023年の布告第03号に基づき、10月を「乳がん啓発月間」と定めている。

全国的には、フィリピンがん協会(Philippine Cancer Society)の報告によると、乳がんは国内で最も一般的ながんであり、毎年約27,163件の新規症例と約9,906件の死亡が報告されている。フィリピンはアジアの中でも乳がん発症率が高い国の一つである。

治療へのアクセス拡大

治療へのアクセスを改善するため、フィリピン健康保険公社ダバオ支局(PhilHealth-Davao)は、乳がんに対する「Zベネフィット」の給付額を、従来の10万ペソから140万ペソに引き上げた。この給付により、ステージIからIVまでの患者は、手術、化学療法、放射線治療を受けることができる。

南フィリピン医療センター(SPMC)などの公立病院も、民間団体と連携して乳がんクリニックを運営し、早期発見や治療計画に関する無料相談を提供している。

乳がんへの理解

世界保健機関(以下WHO)によると、乳がんは乳房の異常な細胞が制御不能に増殖し、腫瘍を形成することで発生する。放置すると、腫瘍は転移して致命的となる可能性がある。

WHOの推計によると、乳がんにより2022年に世界で67万人が死亡した。乳がんは、185か国中157か国で女性に最も多いがんである。

早期診断と適切な治療、リハビリテーション、緩和ケアを組み合わせることは、乳がんによる世界的な影響を軽減する上で重要である。

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