ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領は、ダバオ市警察(以下DCPO)に対し、28歳の建築家ブランチェ・マリー・L・ ブラガスさん(28)さんの遺族の悲しみにあたうだけの迅速な裁きを行うよう求めた。さもなければ、この件に関する警察官全員が退陣に追い込まれる。
5月31日にSMNIチャンネルで放映された「Gikan sa Masa Para sa Masa」という番組で、ドゥテルテ前大統領はブラガスさんを強姦し殺害した犯人が依然として特定されず、自由の身であり続けていることを嘆いた。
同氏はさらに、「警察官がこの仕事に耐えられないのであれば、警察官をやめた方が良い。給料を無駄にせずに済む」と続け、さらに、同様の悲惨な犯罪が再び発生した場合、自ら警察の捜査官を訪ね、その怒りを味わわせると警告した。
前大統領兼元市長は、自らの息子であるセバスチャン・ドゥテルテ現市長の名前に泥を塗ることは絶対に許さないと語る。そのため、警察は治安と安全に対する市民の信頼を回復するために、事件解決に「無限の努力」をしなければならない。
ダバオ地方警察は先に、5月17日にブラガスさんの遺体が発見されたことを受けて、特別捜査班「ブラガス」を創設した。同捜査班は、この事件の5人の関係者を確保したと発表している。
また、先日パオロ・ドゥテルテ議員は、犯人逮捕につながる情報に対しては100万ペソの懸賞金を与えると公表した。
この事件の10日後の5月27日、カリナン在住のデニス・ロイ・パンサンさん(23)が何者かによって誘拐され、テープを貼られ、手足を拘束されたとされる。彼は逃げ出して5月29日にマティナのバランガイ(最小行政区)ホールに逃げ込んだが、その後警察の事情聴取の最中に倒れ、病院に向かう途中で死亡した。さらに同日、カリナンで10年生(中等教育4年)のケント・ローレンス・エスピノサさんが誘拐され、行方不明になったとの報告が上がっている。警察はこの2つの事件の関連を調べている。
DCPOのアルベルト・ルパス氏は、5月31日の朝、取材に対し、パズルのピースが多すぎて、全体像を把握することができないと語った。しかし、彼らは、被害者に正義を与えるため、これらの事件をあらゆる角度から追求している。
これら3件の事件は、いずれもダバオ市のカリナンという地区に関連がある。ダバオ市全体を揺るがす大事件であると同時に、特にその地域の住民にとっては日々の生活の安全すら脅かされる事態だ。安心して日常生活を送れるように、犯人逮捕の続報を待ちたい。