5月17日、ダバオ市カリナンのバナナ農園にて、建築家として働くVlanche Marie L. Bragasさん(28)が遺体で発見された。ダバオ市警察は遺体の様子から、強姦の末の殺人であったことを明かしている。平和な都市ダバオというイメージにヒビを入れるような事件だった。
これに対して、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の長男でダバオ市第1地区議員のパオロ・ドゥテルテ氏は、この事件の容疑者を当局が特定するのに協力した市民に対し、100万ペソの現金報酬を提供することを申し出た。
同議員は声明の中で、乾燥したバナナの葉に覆われて、行方不明になってからわずか数時間後の5月17日午前8時ごろ、カリナンのバランガイ(最小行政区)ダクダオの農園で発見された彼女に正義を与えるため、事件が解決することを望んでいると述べた。「Bragasさんの家族とともに、彼女の死を悲しんでいる」とのことだ。
18日には、この事件を調査し、彼女の死に関与した容疑者の身元を特定するために、特別捜査班「Bragas」が結成された。被害者は5月17日の深夜12時30分ごろに行方不明になったと報告されている。監視カメラの映像によると、彼女が最後に目撃されたのは、ダバオ市カリナンのクロッシング・ファウスタで黄色いトライシクルに乗る様子だったという。
2019年の調査で、東南アジア全体で2番目に安全な都市としてランクインしたダバオ。1件の事件が治安を大きく左右する訳ではないが、不安とは伝染していくものだ。コロナ禍明けで人の出入りが激しくなりつつあるダバオで、このような事件をいかに未然に防ぐか、行政の力量が問われている。