2023年1月5日、「マナナンガル/Manananggal」がダバオ市の対岸、サマル島ババック地区の上空を飛んでいるところを目撃されたと話題を集めている。マナナンガルとはフィリピン神話に登場する吸血性の鳥のような妖怪で、フィリピンの田舎で夜になると獲物として人間を襲ってくるとされている。ビサヤ語圏であるここダバオでは飛んでいく時の翼の音に因んで「ワクワク/Wakwak」という名前で呼ばれている。この妖怪については、以前ダバオッチのコラムで取り上げているので、詳しくはこちらを参照して欲しい。
情報提供者の話に基づき地元のラジオ番組が調査を行ったところ、ババック地区に住む複数の住人らが巨大な鳥のような妖怪が頭上を飛んで行くのを見たと熱狂状態で主張した。56歳の住人は「私たちはとても大きな鳥のようなものが竹林から飛んで行くのを見ました。ワクワクワクと音がしたと思ったら、そのまま飛び去ってしまいました」とコメントを残している。この情報が広まれば、残念ながら嘘つき呼ばわりされる住人たちも出てきてしまうだろう。50歳の農夫は、あれはワクワクではないだろうと主張している。彼によると、あれはただの鳥でワクワクが目撃された夜はたくさんの鳥が鳴いていたという。
当該地区のバランガイは、住人たちに過剰に恐れたり心配する必要はないと通達している。新年早々マナナンガルが目撃されたとは何とも不吉であるが、当該地区で何も問題が起きないことを願いたい。