新型コロナウイルスによって自由にフィリピンと行き来できなくなってから、もうすぐ2年が経つ。ようやく今月になってフィリピンに以前より入りやすくなったものの、新型コロナウイルスが収束するまでは入国するのにいくらか壁があるように感じる。しかしながら、ダバオ市は観光業の「見通しは明るい」とコメントしている。なぜだろうか?
2月8日、フィリピン国家経済開発庁ダバオ支部(NEDA-Davao)のMaria Lourdes Lim氏は、2021年の観光業の状況について言及した。2021年にダバオ市を訪れた人は130万6,732名で、2020年の136万168名よりも3.9%減った。そのうち最も減ったのは海外フィリピン労働者(OFW)で、7,266→1,091名(左記:2020年→右記:2021年)、これに続いて外国人観光客(33,915→8,571名)となった。Lim氏は、この数字から見ても分かるように、感染拡大を抑えるための旅行制限や国境封鎖がかなり影響していると述べた。
しかし、国内旅行については131万8,987→129万7,070名とほぼ横ばいを維持しており、影響が大きくないことが伺える。このように、数字全体で見れば影響を受けているが、ダバオ市ではダバオ地方内で旅行をしようという人たちを対象にした、国内マーケットの需要が伸びているという。実際、2020年と比較した時、6~9月の売り上げは29億6800万ペソから40億6800万ペソにまで上がっており、実に37%も伸びている。
ダバオ観光協会(Data)のCherry Al-ag会長は、チケットやホテル、レストランで売り上げが伸びていると指摘している。また、「2021年から、出張や家族旅行でダバオに来る人を多く見かけるようになりました。それはチケットの売り上げからも分かるでしょうし、ホテルのロビーが混雑しているのにも気づかれると思います。コロナ禍でも家族で旅行する人も多く見かけるようになりました」とコメントした。
また、ワクチン接種が優先されたことや、これまでの感染対策の知見をさらに深めたことも大きなアドバンテージになっている。観光業に携わる人を対象とした集団接種がいち早くおこなわれたため、観光客も安心してホテルなどを利用することができるようになり、施設内での感染対策もより効果的なものになっている。
今後のため、観光省ダバオ支部や関係者により、すでにダバオを訪れる際のルールや観光業立て直しプランなどの話し合いも持たれているという。まだまだ外国人観光客が増える見通しは立ちづらいが、まずは国内需要をもとに、ダバオの観光業はさらに回復していくだろう。