世界のワクチン接種は徐々に進みつつあり、国によっては一定の条件下で入国者を受け入れている場所もある。一方ダバオ市はというと、ダバオ国際空港の国際線フライトの再開に関しては、今年は不透明な状況だという。しかしながら、ダバオ市としては再開させたい思いをもっており、実際に動きも見られている。
ダバオ市観光局(CTOO)のGenerose Tecson所長は、オンラインでの記者会見にて、ダバオを離発着する国際線の再開がまだ決まっていない航空会社もあると語った。Tecson所長は、「これは一部の航空会社に関してです。まだスケジュールが決まっていないのです」と語った。
当初、シンガポールを拠点に置くシルクエアーは、2021年10月にダバオ市を離発着する国際線の再開を計画していた。しかし、ダバオ市だけでなく、シンガポールのようにロックダウンを敷いている国があることも鑑み、この計画を進めないかもしれないという。
一方で、ダバオ市では2021年5月6日に市長令26が発出され、国際定期便、不定期の国内商用フライト(チャーター便)といったダバオ市を離発着する全フライトの再開を許可した。この市長令では、航空事業のすべての制限を撤廃することで、ダバオ市の航空に関連する経済活動をさらに活発にすると述べられている。ダバオ市は、実際に国際線再開に向けた動きを取っている。
感染症対策をおこなう省庁間タスクフォースは、ガイドラインの中で、外国からの搭乗者は市の施設で10日間の隔離に入り、目的地に行くのを許可される前日である隔離7日目にPCRテストをおこなう。その後、4日間の自宅隔離に入れば、一連の隔離措置は終わる。このように述べている。この施設に関して、ダバオ市では関係省庁の調査を終えた複数のホテルがリストアップされている。
また、6月16日には、フィジーから99名のフィリピン人海外労働者(OFW)がダバオ国際空港に到着した。今回の帰国は、今後ダバオ市が国際線を再開させる際のリハーサルとして位置づけられているという。今回の帰国に関して、市内ホテル業界からは歓迎の声もあがっている。
ワクチン接種が進んではいるものの、これまでの長期間の制限によって各業界ともに厳しい状況が続いている。経済を動かすこと、感染対策を取ること、そのバランスを見定めた対応が求められていると言えるだろう。