フィリピン労働雇用省技術教育技能教育庁(以下TESDA)と日本政府は、日本語を話す労働者に対する高い需要から、日本語研修のための研修規則の策定についての可能性を示した。TESDAは、フィリピン国立語学機能センター(以下NLSC)を通じて、語学技能訓練プログラムのために日本政府とも協力している。現在、NLSCは日本語能力試験のN4とN5の受験に役立つ「日本語と日本文化」を2段階分提供している。
TESDAのスハルト・マンダダトゥ氏はこのほど、二瓶大輔 在フィリピン日本国大使館経済公使を表敬訪問し、技術職業教育訓練(以下TVET)分野におけるTESDAと日本の協力・交流の機会を探った。
会談の中でマンダダトゥ氏は、日本政府による、世界的に競争力のあるフィリピン人技術職訓練生や熟練労働者を輩出してきたTESDAへの継続的な支援に対し、感謝の意を表明した。「TEADAは、フィリピン国内でのTVETを推進し、フィリピン人が国内外での就職に備えることができるよう、日本政府との二国間パートナーシップを強化する機会を歓迎する」とのことだ。
さらにTESDAは、日比経済連携協定(JPEPA)に基づく訓練プログラムの実施に向け、いくつかの施設を提供した。同時に、マンダダトゥ氏は、ミンダナオ島のバンサモロ自治地区(BARMM)における平和と開発のため、国際協力機構(JICA)を通じて日本政府からもたらされた支援についても、二瓶氏に感謝の意を表した。
TESDAは、フィリピン国内の技術職業訓練分野が国際基準に達するよう、他国との協力を継続している。
フィリピンは世界的にも海外出稼ぎ労働者(OFW)が多いことで知られているが、その移住先の1つが日本である。とはいえ、増大する需要に対して、数ある受け入れ国の1つとして、給料などの待遇や言語面に難があることは否めない。供給が途絶えてしまわぬよう、受け入れる日本も彼らに寄り添う態度を示したいところだ。
