コロナ禍に入り1年以上経って、ダバオの人々の生活にも大きな変化があった。例えば、銀行に行くことを避け、オンラインバンキングを活用する人たちが増えた。送金やお金の口座間の移動など、スマホ1台さえあればできるようになった。また、新聞を購入する人が減り、マスメディアはオンライン媒体の記事を積極的に配信するようになった。今日はダバオ市の人々の生活がどのように変化しているのか見ていこう。
まずは“病院”を見ていく。新型コロナウイルス(Covid-19)の状況も鑑みると、病院に行くのはなかなか億劫になってしまいがちだろう。そこで病院が始めたのが「遠隔治療(telemedicine)」だ。南フィリピン医療センターやDavao Doctors Hospitalでは、この遠隔治療をいち早く導入した。そして、皮膚病や定期検診、歯の問題などの対応をおこなっているという。また、Ateneo de Davao University内の心療内科機関であるPsychological Extension and Research Servicesセンター(Copers)では、オンラインでのカウンセリングも始めた。コロナ禍で心を病んだ人たちのケアをおこなうことが目的だ。
次は“教育”だ。コロナ禍に入りしばらく休校が続いていたが、その後オンライン授業が続いている。先生たちは、Google Meet、Google Drive、Zoomといったオンラインツールを駆使して日々の学習を進めている。また、定期的にメールやFacebookメッセンジャーのメッセージを確認することの重要性も身にしみたという。ベテランの先生にとって、オンラインツールを駆使するというのはなかなか大変なことだが、それでも仕事に必要なため慣れるため奮闘しているという。そして保護者もまた、子どもの時間割やインターネットの接続状態を確認したり、ちゃんと授業に参加しているか確認したりしているという。
最後に“広告”についてだ。インターネットを見る機会が増え、オンライン広告にも様々な工夫が富んでいる。ピザやパスタを販売するレストラン「Greenwich」の広告動画では、店員が現在販売しているピザのバナーを持って謝罪する。映画を見ている人たちの邪魔をしてすみませんという意図は、何か見ていて広告動画に邪魔されたことがあれば分かるジョークだろう。
コロナ禍は様々な制限をもたらしたが、フィリピンの人たちはそれに負けず、創造性豊かで、対応する力も持ち合わせている。コロナ禍はもう少し続きそうだが、それでもフィリピンの人たち、ダバオの人たちはこれからも前向きにやっていくことだろう。