【News】コロナ禍のスポーツ産業、あきらめないReynlynさんの思いと行動

ダバオ

コロナ禍に入って16ヶ月という時間が流れた。ダバオでもさまざまな影響が出ているが、スポーツ関係者への影響も大きくなっている。大勢で集まることになってしまうスポーツは、依然として禁止された状態が続いている。アマチュアアスリート、コーチ、審判、ジムのオーナーや従業員、スポーツイベントの運営者などにとっても、余裕のない日々が続いている。

ダバオ市の大学である「Ateneo de Davao University」では、2020年度からコーチ50名と契約を更新していない。その中には自分でコーチやトレーニング業を続けている人もいれば、小規模ビジネスを始めた者もいるという。

Reynalyn Ranada Ravanes氏もまた、同大学でサッカーと水泳のコーチを勤めていた。しかし、彼女もまた契約が更新されることはなかった。3人の子の母親でもあるReynalyn氏は、「最初は、とても大変でした。コーチの仕事で生計を立てていたのに、家族を養うための収入をどこで得ればいいのだろうかと悩みました。学校が終わり、私たちは仕事を辞める決断をしました。夏に水泳もサッカーも練習がなくなる可能性があったからです。夏にトレーニングをするというのは、私が12年間この大学で続けてきたことでしたし、コロナ禍の影響で何年も続けてきたトレーニングやコーチの仕事を辞めるというのはとても大変なことでした」と同氏は語った。

サッカーは2008年から、水泳は2006年からコーチを勤めてきたが、2020年に何もかもが止まってしまった。この出来事は、彼女の人生を根本的に変えた。Reynalyn氏がコーチの次に選んだのは、小規模ベンチャーの立ち上げだった。重要な資料を書き上げる依頼も受けた。料金などの支払い、配達員がするような荷物の受け取りや配達もおこなった。すべて家族を養うためのお金を稼ぐためだ。

それだけではない。Reynalyn氏は、水曜日と土曜日には家にあるプールで水泳のレッスンを、特別な支援を必要とする子どもたちへの筋肉トレーニングを金曜午後におこなっている。同氏は、「自分の身体が許す限り、コーチとしてやってきた経験があるから、家族のために何でもします。現在の収入は水泳や筋肉トレーニング、オンラインでのフードビジネス用の料理がそれぞれ少しと、さまざまな省庁の書類を書くことです」と語った。

今回のコロナ禍は、Reynalyn氏にずっと続くものはないことを気づかせてくれた。そして、まずはやってみて、もがきながら、1日1日と続けることの大切さを、私たちにも教えている。