【News】タグム市大学生殺害事件で14歳少年は刑事責任問われず、未成年法の議論再燃

パトカー

2025年7月14日、ダバオ・デル・ノルテ州警察本部(DDNPPO)の広報官アンジャネット・ティラドール警部は、タグム市ラ・フィリピーナ・バランガイ(行政区)で発生した大学生ソフィア・マリー・G・コキヤさんの残忍な殺害事件について、容疑者4人のうち14歳の少年は「未成年者の司法および福祉に関する法(以下RA 9344・共和国法第9344号)」に基づく保護措置により、刑事責任を問われないことを確認した。

ティラドール警部は記者会見で、未成年の容疑者は刑事責任を負わないものの、法に則り正義が追求されるよう関係機関と連携して対応を進めていると述べた。同警部によれば、法の施行規則に明記されている通り「刑事責任」は問われないが、公正な手続きが行われ、被害者遺族が納得できる裁きを受けられるよう努めているという。

RA 9344は、2006年に当時のグロリア・マカパガル=アロヨ大統領が署名し、当時の上院議員フランシス・キコ・パンギリナン氏が主導して制定された法律である。この法律は、刑事責任年齢の下限を15歳と定め、処罰ではなく、法に触れた子どもに対して介入および更生プログラムを提供することを目的としている。

一方、その他の容疑者3人(15歳および17歳の少年)、そして「ロイロイ」という通称で知られるリーダー格の人物については、強盗殺人の容疑で起訴される見通しである。

当局は現在、公判が続く間、未成年の容疑者たちを社会福祉開発省第11地方事務所(DSWD-11)が運営する「青少年地域更生センター(RRCY:Regional Rehabilitation Center for Youth)」の保護下に置くための裁判所決議を申請する準備を進めている。

被害者のコキヤさんは、フィリピン大学ディリマン校に在籍し、アテネオ・デ・ダバオ大学付属高等学校の卒業生でもあった。彼女は7月15日にタグム市内で埋葬された。遺体は自宅で発見され、少なくとも38か所を刺されていた。事件の発覚は世間に大きな衝撃を与え、正義を求める声が一層高まっている。

なお、7月12日に実施された合同の緊急追跡作戦により、ダバオ地方各地で容疑者4人全員が逮捕された。押収された遺留品には、被害者のノートパソコン、iPad、iPhone、腕時計など複数の私物が含まれていた。

すべての証拠は7月10日までに一般捜査課によって押収・確保されている。

コキヤさんの事件は、いわゆる「パンギリナン法(RA 9344)」をめぐる議論を再燃させた。批判派はこの法律が少年犯罪者に対する責任追及を困難にしていると指摘している。過去にはロドリゴ・ドゥテルテ元大統領もこの法律を批判し、少年による犯罪を助長していると主張していた。

一方、パンギリナン氏はこの法律を擁護し、問題の本質は法律そのものではなく、実施の不徹底や更生施設への資金不足にあると主張している。また、この法律は子どもたちを搾取から保護し、社会復帰を促すことを目的としており、過ちに対して何の責任も問わないという趣旨ではないと強調した。

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