サイバー犯罪防止部隊ダバオ地方支部(以下RACU11)は、2023年5月31日に2021年から2022年にかけてダバオ地方で最も多く発生した犯罪は、オンラインでの誹謗中傷であったと報告した。
RACU11デジタル法務局の部長を務める警察のReaian Amaba氏は、2021年にはオンラインの誹謗中傷で52件の訴えが記録され、最も多い犯罪となり、22年にも37件が記録されたと述べた。
オンラインの誹謗中傷は、テキストメッセージ、電子メール、SNSへの投稿、ブログ、ウェブサイト、またはオンラインニュースを通じて行われる。この犯罪を構成する要素としては、他者に関する信用を貶める主張があること、告発の公表、名誉を毀損された人の身元、悪意の有無が挙げられる。罰則は、当事者が起訴できる民事訴訟に加え、最低でも禁固刑、または4万ペソから20万ペソの罰金、あるいはその両方が課せられる。
オンラインでの誹謗中傷に続くのはオンライン詐欺だ。2021年には41件、2022年には9件の申し立てがなされた。これは、インターネットや電子メール場で行われるサイバー犯罪活動で、個人情報の盗難、フィッシング、金銭を騙し取ることを目的としたその他のハッキング行為などの犯罪が含まれる。
その次に多いのがインターネットを利用した脅迫で、2021年に7件、2022年に3件が記録されている。さらにその次に、2021年に9件、2022年に5件の、共和国法第9995号違反の写真や映像での盗撮が続く。
Amaba氏は、31日にダバオ市災害ラジオ(DCDR)において、「2021年から2022年にかけて、オンライン上の誹謗中傷の被害が減少しているのは、啓発キャンペーンが有効だったり、もしくはコミュニティが経験から学びつつあることの表れだろう」と語った。
2023年については、1月から5月までのデータしかないため、完全な記録ではないが、その期間中、ダバオ地方で最も多い犯罪は違法アクセスで、ついでオンラインの誹謗中傷、そしてオンラインの詐欺という順であるとのことだ。
殺人事件のように実体を伴った事件だけでなく、いつの間にか巻き込まれているサイバー犯罪も現代には蔓延している。2020年にはダバオ市内の警察署にサイバー犯罪対策チームがそれぞれ設置されており、その深刻さが窺える。現代人の生活とは切っても切り離せないインターネットだが、安全には注意して利用するよう、利用者としても心がけたい。